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高齢者の足のむくみは、活動量の低下や長時間同じ姿勢でいることなど、日常生活の影響で起こることがあります。一方で、心不全や腎臓病、深部静脈血栓症など、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。大切なのは、むくみをすぐに「年齢のせい」と決めつけず、片足だけか両足か、急に出たか、痛み・赤み・息苦しさなどを伴っていないかを確認することです。この記事では、高齢者の足のむくみでまず確認したいポイント、主な原因、受診の目安、自宅でできる対処法をわかりやすく解説します。
| この記事でわかること • 高齢者の足がむくみやすい主な理由 • 「片足だけ」「両足」のむくみで考えられる原因の違い • すぐに医療機関へ相談したい危険なサイン • 病気の可能性が低い場合に自宅でできる対処法 • マッサージ・水分・着圧ソックスで注意したいこと |
| 先に確認|こんなときはセルフケアより受診を優先 • 片足だけが急に腫れ、痛み・赤み・熱感がある • むくみに加えて、突然の息苦しさ・胸痛・冷汗がある • 両足のむくみと息切れ、急な体重増加が同時にある • 尿量が明らかに減った、顔や手までむくんできた • 発熱や強いだるさを伴う |
参考:国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は?」
目次

足のむくみにはさまざまな原因があります。自宅で対処してよいむくみか、医療機関へ相談したほうがよいむくみかを見分けるため、まず次の点を確認しましょう。
| 確認すること | チェックのポイント |
| むくみの範囲 | 片足だけか、両足ともむくんでいるか |
| 出現の速さ | 数時間〜数日で急に出たか、以前から徐々に出ているか |
| 痛み・赤み | 腫れた部分に痛み、熱感、赤みがないか |
| 全身症状 | 息切れ、胸痛、動悸、発熱、尿量低下などがないか |
| 体重の変化 | 食事量に変化がないのに短期間で体重が増えていないか |
むくみ(浮腫)とは、血管の外側にある組織に余分な水分がたまった状態です。足首やすねが腫れぼったくなったり、靴下の跡が強く残ったり、普段の靴がきつく感じたりします。むくみの有無だけで原因を特定することはできません。高齢者では病気がなくても、活動量の低下や長時間の座位で足がむくむことがありますが、心臓・腎臓・血管などの病気が原因となる場合もあります。
すねや足の甲を数秒押したあと、へこみがしばらく残る「圧痕性」のむくみは、心不全や静脈うっ滞などでみられることがあります。ただし、押した跡が残るかどうかだけで病気を診断することはできません。左右差や痛み、息切れなど、ほかの症状と合わせて確認しましょう。
むくみの左右差は、原因を考えるうえで大切な手がかりです。両足が同じようにむくむ場合は、心臓・腎臓・肝臓など全身に関わる病気や、薬剤、活動量低下などが関係することがあります。一方、片足だけが目立って腫れる場合は、深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫、感染症など、その足に起きている問題も考えます。
長時間座った日の夕方だけむくみ、休むと軽くなるような場合と、数時間〜数日のうちに片足が急に腫れてきた場合とでは、緊急度が異なります。特に急な腫れに痛みや息苦しさを伴う場合は、自己判断で様子を見ないことが大切です。
足だけでなく全身の変化にも目を向けましょう。息切れ・横になると苦しい・尿量が減った・発熱がある・短期間で体重が増えた、といった変化は受診の判断材料になります。

歩行時にふくらはぎの筋肉が収縮すると、足にたまった静脈血を心臓側へ押し戻す働きが生まれます。高齢になると筋力や活動量が低下しやすく、この働きが弱まることで足に水分がたまりやすくなります。
参考:クリニック田島「足や顔のむくみ 静脈還流低下:運動不足や加齢による影響」
テレビを見る、車いすで過ごすなど、長時間同じ姿勢が続くと足の静脈に血液がたまりやすくなります。国立長寿医療研究センターでも、あまり歩かず日中座りっぱなしで過ごす高齢者では、足のむくみがよくみられると説明しています。[6]
参考:国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は? 体位によるもの」
塩分を多く摂ると体内に水分を保持しやすくなります。また、食事量が少なく低栄養となり、血液中のアルブミンが低下すると、血管内に水分を保ちにくくなり、むくみの原因になることがあります。
参考:国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は? A. 全身性の原因」
関連記事:高齢者の体重減少はなぜ起こる?考えられる原因・受診の目安・家族ができる対策を解説
薬の副作用として足のむくみが出ることもあります。たとえば一部の降圧薬などでは、下肢のむくみがみられることがあります。新しい薬を開始・変更してからむくみが気になった場合は、自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
参考:国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は? A. 全身性の原因」

むくみの原因は見た目だけでは判断できません。特に高齢者では、心臓・腎臓・血管などの病気が背景にあることがあります。
| 考えられる原因 | 一緒にみられやすい変化 |
| 心不全 | 息切れ、横になると苦しい、尿量減少、短期間の体重増加など |
| 腎機能低下・腎不全 | 尿量の変化、顔や手のむくみ、だるさなど |
| 肝疾患・低栄養 | 腹部の張り、食欲低下、体重減少など |
| 薬剤の影響 | 薬の開始・変更後にむくみが出るなど |
| 活動量低下・静脈うっ滞 | 夕方に悪化しやすい、長時間座位で強くなるなど |
参考:国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は? A. 全身性の原因 C.明らかな原因の特定できない足のむくみ」
心不全では、心臓の働きが低下して体に水分がたまり、足の甲やすねがむくむことがあります。国立循環器病研究センターでは、息切れや足のむくみに加えて、体重が1週間で2〜3kg増えることがあるとしています。むくみだけでなく息切れや急な体重増加を伴う場合は、早めの受診が必要です。
参考:国立循環器病研究センター「心不全 3. 心不全になったら、どのような症状が出ますか?」
腎臓には、余分な水分や塩分を尿として排出する働きがあります。腎機能が低下すると水分を十分に排出できず、足だけでなく顔や手にもむくみが出ることがあります。尿量の減少などがある場合は、かかりつけ医へ相談しましょう。
肝疾患や低栄養により、血液中のアルブミンが低下すると、血管の外へ水分が移動しやすくなり、両足のむくみにつながることがあります。食事量が減っている、体重が落ちている場合は、むくみだけでなく栄養状態も確認が必要です。
参考:健康長寿ネット「浮腫の原因 1.全身性の浮腫(身体の両側に見られる浮腫)」
| 考えられる原因 | 特徴・注意点 |
| 深部静脈血栓症(DVT) | 片足の腫れ、痛み、太さの左右差など。肺血栓塞栓症につながることがある |
| 下肢静脈瘤 | 静脈が浮き出る、夕方に重だるい・むくむなど |
| リンパ浮腫 | がん治療後などに起こることがあり、慢性的に腫れる |
| 蜂窩織炎などの感染症 | 赤み、熱感、痛み、発熱を伴うことがある |
参考:健康長寿ネット「浮腫の原因 2.身体の片側のみ、もしくは一部分のみに見られる浮腫」
参考:独立行政法人 地域医療機能推進機構 仙台病院「血管外科 ~診療科の紹介~」

| 救急要請も検討したい症状 • 突然の強い胸痛や背部痛がある • 安静にしていても強い呼吸困難がある • 冷汗、意識が遠のく、強い動悸などを伴う |
日本呼吸器学会は、脚のむくみ・腫れ・痛みや太さの左右差は深部静脈血栓症を疑うサインになり得るとしています。さらに、突然の強い胸痛や安静時の呼吸困難などがある場合は、肺血栓塞栓症の可能性があるため、救急要請を案内しています。
参考:日本呼吸器学会「災害時の対応について Q2 どのような症状になりますか?」
片足だけが急に太くなり、痛み・赤み・熱感がある場合は、深部静脈血栓症や感染症などを考えます。マッサージなどのセルフケアを始める前に、医療機関へ相談してください。
参考:一之江駅前ひまわり医院「片足だけむくむ原因は?痛い・痛くない場合と何科を受診するか解説【右・左】」
両足のむくみに加えて、以前は平気だった動作で「息切れする」「横になると苦しい」「短期間に体重が増えた」といった症状がある場合は、緊急を要する可能性があります。早めに医療機関を受診しましょう。[23]
参考:公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット:浮腫」浮腫の予防・ケア
足だけでなく顔や手までむくみ、尿量が減っている場合は、腎臓を含む全身状態の確認が必要です。
参考:独立行政法人 国立病院機構 横浜医療センター「腎臓内科」臨床研究への参加
皮膚が赤く熱を持ち、痛みや発熱がある場合は感染症の可能性があります。悪化する前に医療機関へ相談しましょう。[25]
参考:兵庫医科大学病院「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」 原因・症状

| 症状・状況 | 相談先の目安 |
| 原因がわからない/慢性的に続く | まずはかかりつけ医・内科 |
| 息切れ・動悸・急な体重増加 | 循環器内科など |
| 尿量減少・腎機能低下を指摘されている | 腎臓内科など |
| 片足だけ急に腫れ、痛みがある | 内科・循環器内科・血管外科など。症状が強ければ救急外来 |
| 赤み・熱感・発熱がある | 内科・皮膚科など |
診療科を自己判断するのが難しい場合は、まず普段の状態を把握しているかかりつけ医に相談するのが現実的です。必要に応じて専門診療科へつないでもらえます。

| セルフケアを始める前提 • 急な片足の腫れや強い痛みがない • 息苦しさや胸痛、発熱などの危険な症状がない • 医師から水分・塩分・運動について個別の指示を受けている場合は、その指示を優先する |
椅子に座ったまま、かかとやつま先をゆっくり上げ下げするだけでも、ふくらはぎの筋肉を動かせます。痛みや体調不良がなければ、無理のない範囲で行いましょう。
歩行によってふくらはぎが動くと、足の静脈血を心臓側へ戻す働きが期待できます。 普段あまり歩かない方は、家の中で立つ回数を増やすなど、小さな活動から始めましょう。転倒の不安がある場合は、介護職やリハビリ専門職にも相談してください。
参考:医療法人誠心会「筋肉の6つの役割|動く以外の重要な役割」役割6
関連記事:高齢者の足腰が弱くなってしまった原因と症状について
座りっぱなし・立ちっぱなしを避け、体調に合わせて姿勢を変えましょう。長時間車いすで過ごす方では、足のむくみが起こりやすいため、介助者と相談しながら足を動かす時間を作ることが大切です。
横になって休む際に足を少し高くすると、足にたまった静脈血や水分が戻りやすくなることがあります。国立長寿医療研究センターでも、軽いむくみへの対処として、足を高くして休む方法を紹介しています。[27]
参考:国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は?」
塩分の摂りすぎは体内に水分をためる一因になります。ただし、高齢者すべてに同じ数値目標を当てはめるのではなく、高血圧・心不全・腎臓病などの有無や栄養状態を踏まえ、医師や管理栄養士の指示を優先しましょう。
むくみがあるからといって、水分を一律に減らすのは適切ではありません。一方、心不全や腎不全などで水分管理が必要な場合もあります。「1日○L」と一律に決めず、持病や服薬状況を踏まえてかかりつけ医に確認してください。
参考:日本循環器学会「急性・慢性心不全診療ガイドライン(p.105)」
弾性ストッキングは、静脈うっ滞によるむくみの軽減に使われることがあります。しかし、動脈の血流障害や皮膚トラブルなどがある方では適さない場合があります。高齢者ではサイズ選びや着脱も負担になるため、医師・看護師・リハビリ専門職などに相談してから使用しましょう。

片足の急な腫れや痛みがある場合は、血栓などの病気が隠れている可能性があります。原因がわからない段階で強く揉むのではなく、まず受診の必要性を確認してください。病気が否定されていても、高齢者の皮膚は傷つきやすいため、強い刺激は避けましょう。
脱水は高齢者にとって大きな負担になります。一方で、水分制限が必要な病気もあるため、「むくみ=水を減らす」と単純に判断しないことが重要です。
カリウムは体内のナトリウム排泄に関わる栄養素ですが、腎機能が低下している場合は血中カリウムが高くなる危険があります。むくみ対策として自己判断でサプリメントや特定食品を大量に摂ることは避けましょう。
強い圧迫が合わない方もいます。足先の冷え・しびれ・色の変化や皮膚トラブルがある場合は、使用前に医療者へ相談しましょう。
国立長寿医療研究センターでは、高齢者では病気がなくても足のむくみがみられる一方、心不全・腎不全・深部静脈血栓症など治療が必要な病気が隠れている場合もあるとしています。症状が続く、急に腫れた、痛みや息切れを伴うときは受診しましょう。
参考:国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は?」

むくみによる重だるさや靴の履きにくさから、外出や歩行を避けるようになることがあります。
足首が動かしにくくなったり、歩行量が減ったりすると、筋力低下を招く悪循環につながる可能性があります。転倒の不安が強い場合は、自宅環境や歩行補助具についても相談しましょう。
関連記事:移動介助|廊下と階段での介助方法・住まいの中での動線づくり
慢性的なむくみでは、皮膚が張って傷つきやすくなることがあります。乾燥や小さな傷を放置せず、赤み・熱感・痛みが出た場合は感染症にも注意してください。

加齢に伴う筋力・活動量の低下で、むくみやすくなることがはあります。ただし、年齢だけが理由でむくむわけではありません。症状が続く・急に悪化する・息切れや痛みを伴うなどの場合は、医療機関へ相談してください。
片足だけのむくみがすべて危険というわけではありません。深部静脈血栓症や感染症など、早めの診察が必要な病気でも起こります。特に、急な腫れ・痛み・赤み・息苦しさを伴う場合は、速やかに受診してください。
原因がわからない状態では、強いマッサージは避けましょう。急な片足の腫れや痛みがある場合はセルフケアより受診を優先します。病気が否定され、医師などから問題ないと言われている場合は、皮膚を傷めない程度のやさしいケアにとどめてください。
一律に控えるべきではありません。脱水を避ける必要がある一方、心不全や腎不全では水分量について個別の指示が出る場合があります。持病のある方は主治医の指示を優先してください。
使用が適した方もいますが、動脈の血流障害や皮膚の状態などによっては使用にリスクを伴う場合があります。特に持病がある方や自分で着脱しにくい方は、医師・看護師などに相談してから使いましょう。
「何日続いたら受診」という一律の基準だけで判断するのは避けましょう。「急に腫れた」「日ごとに悪化する」「片足だけ明らかに腫れている」「痛み・息切れ・発熱・尿量低下などを伴う」などの場合は、早めに受診してください。症状が軽くても繰り返す・長引く場合は、かかりつけ医に相談して原因を確認しておくと安心です。

足のむくみそのものだけで老人ホーム入居を考える必要はありません。ただし、むくみに加えて「歩行が難しくなった」「転倒が増えた」「服薬や通院の管理が難しい」「介助量が増えて家族だけでは支えきれない」といった変化が重なると、在宅生活の見直しが必要になることがあります。
静岡老人ホーム紹介タウンYAYAでは、現在の身体状況や医療・介護の必要度、ご家族の希望を伺いながら、静岡県内の老人ホーム探しをサポートしています。「まだ入居するか決めていない」という段階でも、今後に備えて相談できます。
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高齢者の足のむくみは、活動量の低下など日常生活の影響で起こることもあれば、心不全・腎機能低下・深部静脈血栓症などの病気が隠れていることもあります。まずは片足か両足か、急に出たか、痛み・赤み・息切れなどを伴うかを確認しましょう。
危険なサインがある場合はセルフケアより受診を優先してください。、病気の可能性が低い軽いむくみでは、無理のない運動や足を上げて休むなどの方法を取り入れます。水分・塩分・着圧ソックスについては、持病や薬の影響があるため一律に判断せず、必要に応じて医療者へ相談してください。
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