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年齢を重ねることにより、人は徐々に足腰が弱くなってしまいます。久しぶりに実家の親に会ったとき、「以前はこんなところで転ばなかったのに」「いつもの家事がうまくできない」などと感じる人もいるでしょう。それでは、人はなぜ高齢になると足腰が弱くなってしまうのでしょうか。家族の足腰が弱ってきたと感じたとき、どのように対応すればよいのでしょうか? この記事では、高齢者が足腰の弱くなる原因と症状、家庭内でできる対策をご紹介していきます。
目次
高齢者の足腰が弱くなる原因は様々ですが、大別すると次の2つに分けることができます。
年齢を重ねるにつれて動きづらさを感じると、「自分も年を取ったもんだ」とガッカリする人も多いのではないでしょうか。しかし一方では、若者にも負けず活動的に過ごしている高齢者もたくさんいます。このことから、高齢者になったからといって100%足腰が悪くなるわけではないことが分かります。この章では、なぜ高齢になると足腰が弱くなりやすいかを2つの原因に分けてご紹介していきます。
足腰が弱くなる原因の1つめは、活動量の減少による筋力やバランス力の低下です。通常、筋力やバランス力は日頃から体を動かすことによって維持されています。このため、外出する機会や家事をする頻度が減ってしまえば、徐々に活動量が低下してしまいます。活動量の低下に伴って足腰の衰えについて自覚症状を感じるようになると、自分の体力に自信がなくなったり、転ばないように活動の機会を抑えようとしたりします。筋力やバランス力の低下がさらなる活動量の低下につながってしまって悪循環となり、いつの間にか歩くことすらおぼつかないほど足腰が弱くなってしまうのです。
この状態が俗に「生活不活発病」や「廃用症候群」と呼ばれる状態です。近年は「サルコペニア(加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下)」や「フレイル(加齢により心身が衰えた状態)」とも呼ばれています。
足腰が弱くなる原因の2つめは、運動機能に影響を及ぼす病気です。年齢を重ね高齢者になればなるほど、運動機能に影響を及ぼす病気が現れやすくなります。例えば膝や腰などの関節に影響を及ぼす病気や、運動機能を司る神経や筋肉に影響を及ぼす病気があります。また、脳卒中などによる後遺症で身体の一部が不自由になることもあります。中でも加齢とともに発症しやすくなる変形性膝関節症や変形性股関節症といった病気は、先ほどご紹介した「サルコペニア」がもとになって起きやすいともいわれています。
詳しくは次の章でご紹介していますので、合わせてご覧ください。
高齢者の足腰が衰える原因のひとつである「サルコペニア」。これによって引き起こされがちな運動機能に関する病気を4つ紹介します。
どれも加齢とともに発症しやすいといわれています。あらかじめ症状を覚えておき、異常を感じた際にはすぐに受診できるように備えておきましょう。
変形性膝関節症は、膝に痛みが生じて水が溜まる症状の病気です。膝関節内に炎症や変形が起き、痛みや腫れが生じます。女性に多く、初期段階では立ち上がりや歩き初めに痛みを感じる程度ですが、悪化すると次第に正座や階段昇降が痛みと変形によって難しくなり、最終的にはO脚のような状態に膝が変形し、安静にしていても痛みが取れない状態になります。
変形性股関節症は、起き上がりや立ち上がり、歩き始めなど、動くときに足の付け根に痛みが走る症状が特徴です。関節に負担がかかって起きる関節疾患で、軟骨が壊れて骨が変形し、慢性的な炎症を負う症状といわれます。股関節の可動に痛みによる制限が出るので、自分で足の爪を切れなくなったり、靴や靴下の着脱などの屈む体勢を取りづらくなったりします。最終的には歩行だけでなく、ただ立っているだけでも股関節に痛みを訴えるようになります。関節の痛みはリウマチに似ており、間違われるケースもあるそうです。
骨粗鬆症とは、骨の強度が下がって折れやすくなる病気です。骨が脆くなるため、つまずいて手をついた・くしゃみをしたなどの軽度な衝撃でも骨折する場合があります。骨折してしまうと安静にして治療する必要があるので、治療中に筋力低下が進み、中には寝たきりになってしまう人もいます。骨粗鬆症自体で要介護状態になるわけではありません。しかし骨粗鬆症は自覚症状のないまま進行しやすく、間接的に要介護状態を引き起こす厄介な病気です。早期発見・早期治療のため、定期的な骨密度測定を受けてチェックしましょう。
変形性脊椎症は、背骨の一部である椎体と呼ばれる部分が変形してトゲのようになる病気です。このトゲが神経を圧迫することで痛みや関節の可動域制限の原因となります。軽度だと病気と呼ばない場合もありますが、症状の出方は人によってさまざまです。中には神経根を圧迫し神経根症状が生じるケースなどもあるといわれます。
「この頃足腰が弱くなってきたかもしれないな」と思うときは、次の5つのポイントをチェックしましょう。
日常生活の中で思い当たるポイントがひとつでもあれば、加齢による足腰の筋力低下が始まっているかもしれません。
それまでつまずくことのなかった小さな段差に足先が引っ掛かる場合、足腰が弱っている可能性があります。例えば老化と部屋の敷居やカーペットの縁などに足をとられるケースです。他の家族は足を滑らさない場所で滑ってしまうときは、バランス力低下の可能性があります。
物を持って行う立ち仕事(掃除機がけや布団の上げ下ろし)などをしていて転ぶようなことがある場合は、足腰が弱くなっている可能性があります。スーパーで食料品や日用品を購入すると2kg程度の重さになりますが、この買い物袋の持ち歩きが困難な場合も入ります。
足腰が弱るとバランスがとりづらくなるだけでなく、足を挙上して階段を登る・階段を降りる際に体重を支えるという動作が困難になります。階段昇降が手すり無しでは危険な状態であるのであれば、まぎれもなく足腰の筋力が衰えている証拠になります。手ぶらでも階段昇降が難しいのであれば、物を持って階段を昇降することはまずできないでしょう。
健康維持のため筋力低下を防ぐウォーキング運動の目安として、女性は15分程度、男性は20分程度と言われています。ちょっとした15分程度の歩行でも疲れてしまうようであれば、足腰の筋力低下を疑いましょう。
立ったまま靴下を履くことができない・転倒の危険がある場合は足腰の筋力やバランス力の低下が疑われます。高齢者の筋力低下は特に下半身で大きくなるため、片足を浮かせる運動が難しくなるからです。例え1~2秒程度(ゆっくり足踏みするくらいの感覚)でも片足立ちができないのであれば、歩行時に足が上がっていない「すり足歩行」という状態になっていることを示しており、つまずいて転倒する原因になります。
足腰が弱くなってきたと少しでも感じる場合、早めに自宅の環境を見直しましょう。見直すべきポイントは、以下の3つです。
この3か所は段差が多く、足腰が弱った高齢者が良く転倒する場所になっています。逆に言えば、この3か所の環境を整えることで転倒のリスクをかなり減らすことができるとも言えます。この章では、上記3点の環境整備におけるチェックポイントをご紹介します。
段差のある玄関には手すりを設置し、上がり框(かまち)部分には踏み台を置いて段差を小さくし、転倒防止対策をしましょう。玄関マットは滑りやすく厚みがあると段差になるため、敷かないようにします。
高齢者は昼間でも一段一段が見づらい場合があります。踏み外して転落する事故を防止するためにも、全ての段に目立つ色で滑り止めを貼りましょう。手すりを設置すればさらに安全です。また、照明は明るく足元を照らすタイプに切り替えましょう。
庭にあるごくゆるい傾斜も転倒の危険があり、タイルなどの段差にもつまずく可能性があります。砂利が敷き詰められている場合も同様です。外の環境も見直してみましょう。なお、家の中や玄関に手すりや踏み台を設置する場合は介護保険制度における「住宅改修」や「福祉用具貸与」を活用して助成を受けることが可能です。また、屋外においても砂利道を舗装する・スロープを付けるなど「住宅改修」の対象になる場合があります。興味がある方は最寄りの地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談してみましょう。
ここまで、足腰が弱くなる原因や機能低下のサイン、安全な環境整備のポイントについてご紹介してきました。
ご自宅での環境整備は重要ですが、限界を感じることもあるでしょう。特に、大切なご家族の健康や安全に関わる問題であれば、その不安や心配は大きなものになるかと思います。その場合は、無理をせずに老人ホームへの入居も視野に入れてみてください。ご自身だけで悩まず、専門家の助けを借りることも選択肢の一つです。
老人ホームの選定には大変な手間がかかりますが、静岡老人ホーム紹介タウンYAYAでは、資格を持った専任のコンサルタントが無料で相談に乗っております。私たちのコンサルタントは、ご利用者様一人ひとりの状況やご希望を丁寧にお伺いし、最適な施設をご紹介いたします。皆様が抱えるご不安や疑問を一緒に解決していきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
私たちは、ご家族の気持ちに寄り添いながら、最善の解決策を提供することを目指しています。初めての老人ホーム選びで感じる不安や疑問、心配事など、どんな些細なことでもお話しいただければ、専門知識を持ったスタッフが親身に対応いたします。安心してご相談いただける環境を整えていますので、ご利用者様の心の負担を少しでも軽くするお手伝いができればと思っています。
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