静岡県の老人ホーム・介護施設情報サイト

まずはお気軽にお電話下さい!
ホーム >  介護お役立ち情報 >  老人ホームのサービス > 老人ホーム生活の一日を知る:起床から就寝まで

介護お役立ち情報

老人ホーム生活の一日を知る:起床から就寝まで

2024年8月30日
奥川 敦史(認知症介護実践者研修修了)
介護お役立ち情報

「老人ホームへの入所を考えているけど、一日の流れがわからないので心配」と、老人ホームへの入所に不安を抱えていませんか。

パンフレットやインターネットのホームページを見ても、老人ホームではどのように暮らしているのかは見えてきません。

本記事では、老人ホームへの入所を考えている方に向けて、施設での一日の流れを解説します。

記事を参考に老人ホームでの生活を理解し、あなたや家族にあった施設を見つけてください。

老人ホームでの一日の概要

老人ホーム生活の一日を知る:起床から就寝まで_老人ホームでの一日の概要

老人ホームでの一日では入所者様が安心して健康的な生活を送れるように、計画的にスケジュールが組まれています。スタッフは一日のスケジュールをもとに、入所者様に応じたケアを提供し、自分らしく過ごせるようサポートします。老人ホームでの基本的な一日の流れは、以下の表の通りです。

時間帯活動内容活動の詳細
6:30 ~7:30起床モーニングケア入所者様が自然に目覚める時間帯に合わせて、モーニングケアを行います健康チェックを行い、体調を確認します  
7:30~8:30朝食服薬介護職員が見守り、必要な方には介助を行います
9:00~10:00朝の体操とフィジカルケア軽い体操やリハビリテーションなどで、身体を動かします
10:00~11:30入浴とリラックスタイム入浴は週に2回が基本です
12:00~13:00昼食介護職員が見守り、必要な方には介助を行います
13:30~15:00レクリエーションおやつ軽い運動やレクリエーションを行います(基本的に自由参加です)おやつで運動後の栄養補給を行います
15:00~17:00自由時間個別ケア自由に過ごせる時間です個別のリハビリテーションを行う場合もあります
17:30~18:30夕食介護職員が見守り、必要な方には介助を行います
19:00~21:00就寝準備ナイトケアリラックスして入眠できるように、ナイトケアを行います
21:00~6:30就寝介護スタッフが定期的に見守りを行います

体調がすぐれない場合は、スケジュール通りに活動しなくても構いません。また、リハビリやレクリエーションなど、気が乗らず参加したくないときも、無理に行う必要はありません。老人ホームでの面会は、9時から19時としている施設が一般的です。しかし、感染症対策で時間を制限している所もあるため、前もって施設に確認した方がスムーズに面会できるでしょう。

起床とモーニングケア

老人ホームにおける入所者様の起床時間は、一般的に午前6時から7時頃に設定されています。

しかし、本人の体調や今までの生活習慣を考慮して、ある程度の融通はきかせてくれるでしょう。

朝起きたら、まずは一日の始まりをスムーズにするためにモーニングケアが行われます。モーニングケアは起床後から朝食までの一連の身支度を指し、主に以下に挙げるケアを行います。

  • 着替え:寝巻から普段着に着替えます
  • 洗面:洗面所で顔を洗います(移動が困難な方に対しては、ベッド上で蒸しタオルを使用して行う場合もあります)
  • 整容:髪を整え、ひげを剃ります

身体の動きが不自由で一人で行えない方には、入所者様の心身状態に合わせた適切なサポートを行うため、安心して朝の支度を行えるでしょう。さらに、体温や血圧測定などの健康チェックもこの時間に実施し、体調管理に気を配ります。健康チェックでその日の体調を確認し、必要に応じてスタッフ同士で情報を共有するため、入所者様は安心して一日をスタートできるでしょう。

朝食と服薬の時間

朝のモーニングケアで身支度を済ませると、次は朝食の時間です。食堂といった共有スペースで、ほかの入所者様と一緒に食事を摂ることが多いのですが、一人で食事をしたい方は自室で食事することも可能です。

老人ホームでは、栄養バランスを考慮した食事が提供され、さらに、入所者様一人ひとりの咀嚼や嚥下能力に応じてきざみ食やソフト食などが用意されます。

また、施設によっては入所者様の好みや習慣に合わせて、パンやごはんを選べる所もあります。

食事は個別に対応しており、アレルギーの方や糖尿病といった持病のある方にも、相応の配慮をした料理が提供されるため、安心して食事を楽しめるでしょう。

また、服薬のサポートも朝食時に行われ、スタッフが入所者の服薬状況を確認し、薬を確実に服用できるように支援します。

朝食が終わると、口腔ケアを実施します。口腔ケアは虫歯や歯槽膿漏などのお口のトラブルを防ぐほかにも、高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防にもつながるため非常に重要です。それゆえ、老人ホームでは毎食後に(必要に応じて食前も)口腔ケアを実施するのが一般的です。

午前中の活動とリハビリ

老人ホーム生活の一日を知る:起床から就寝まで_午前中の活動とリハビリ

老人ホームの午前中は、体を動かし心身のリフレッシュを図る体操やリハビリが行われます。

入所者様の身体状況に合わせたリハビリ計画が用意されており、無理なく自分のペースで参加できるため、健康維持や生活の質向上が期待できるでしょう。

ただし、リハビリの頻度は施設ごとに違い、午前中には実施しない施設もあります。そのため、運動を楽しみにしている方は、リハビリに力を入れている施設が合っているでしょう。また、午前中に入浴を行う施設もあります。午前中に入浴する場合は、リハビリや諸活動は午後に行います。

そのため、入浴はどうしても午後に入りたいとこだわりのある方は、入所する前に入浴時間も確認してください。

朝の体操とフィジカルケア

体操は入所者様の健康を支えるために、身体機能の維持や向上を目指して行われます。入所者様の身体的状況に合わせて無理なく続けられるように考えられており、軽いストレッチや関節を動かす運動など、日常生活で必要な動作をサポートするものが中心です。

また、フィジカルケアも重要な役割を持ちます。フィジカルケアは理学療法士や作業療法士などの専門スタッフにより、個別のリハビリ計画に基づいて行われます。

歩行訓練やバランス訓練などで筋力の維持・向上を図り、日常生活での自立度向上を目指すのです。老人ホームで行われるフィジカルケアは、主に以下のものです。

ストレッチ体操柔軟性を高め、関節の動きを良くする
筋力トレーニング筋力を維持・向上させ、転倒防止や日常生活の自立度向上につなげる
バランス体操バランス感覚を養い、転倒のリスクを減らす
レクリエーション体操運動が苦手な方にも楽しみながら身体を動してもらい、運動の機会を作る

体操やフィジカルケアなどで転倒予防や日常動作が向上すれば、自立した日常生活を長く続けられるでしょう。

また、体操やリハビリの時間は、体を動かすことでリフレッシュにもなるため、精神的にも良い影響が期待できます。

入浴とリラックスタイム

体操やリハビリが終わった後は、入浴の時間です。

入浴は単に身体の清潔を保つためのものだけでなく、血行を促進してリラックス効果も期待できるため、快適な日常生活を送るために重要です。

老人ホームでは入浴時に介護スタッフがサポートを行い、入所者が安全で快適に入浴できるように支援します。

また、身体が不自由な方や転倒リスクが高い方には手すりや専用のイス、ストレッチャーなどが用意されているため、誰でも安心して入浴できるでしょう。

入浴後はしっかりと水分補給をしてもらい、ゆっくりと休む時間が設けられています。昼食が始まるまでの間は、自室や共有スペースで読書や音楽を楽しんだり、昼寝をしたりと、リラックスして自由に過ごしていただけます。

昼食と午後のプログラム

老人ホーム生活の一日を知る:起床から就寝まで_昼食と午後のプログラ_

午前中に十分活動した後は、昼食でエネルギーを補います。

老人ホームによっては栄養バランスだけでなく、入所者様に季節感を得てもらうために旬の食材を使用し、楽しみながら食事をいただけるように工夫しています。

もちろん、ミキサー食やソフト食など、個々の健康状態に合わせたメニューも用意しているため、嚥下や咀嚼に問題がある方でも安心です。

午後のプログラムには、レクリエーションやリハビリテーションが行われ、入所者様が楽しく身体を動かし、心身のリフレッシュする機会を設けています。

とくにレクリエーションは入所者同士の交流の場となり、日常生活にメリハリをつけられるため、生活の質向上が期待できます。

昼食の内容と栄養管理

老人ホームで提供される食事は、栄養バランスを考慮したメニューが特徴です。

入所者の健康状態や好みに応じて栄養士が食事メニューを考え、個々のニーズに合わせた栄養管理が行われます。

減塩食や糖尿病などの療養食にも対応し、咀嚼や嚥下能力に考慮して食べ物を細かくきざんだきざみ食やペースト状にしたもの、ソフト食なども用意しています。

また、季節の食材を活かしたメニューが多く採り入れている施設もあり、食事を楽しめるような工夫が魅力です。

きざみ食やソフト食を提供する場合でも、なるべく元の食事がイメージできるように形どるといった配慮がされているため、どなたでも満足できるのではないでしょうか。

入所者様はなかなか外出の機会を持てないため、食事を楽しみにしている方も少なくありません。 そのため、施設によっては食事を栄養管理の面だけでなくレクリエーションの一部と捉え、できるだけ入所者様に喜んでいただけるためにいろいろと試行錯誤しています。

午後のレクリエーションとおやつタイム

昼食後には、レクリエーションとおやつの時間が設けられています。

レクリエーション活動は、体を動かす軽い運動から頭を使うゲーム、手作業など多岐にわたります。老人ホームで行われるレクリエーション活動については、以下の表を参考にしてください。

レクリエーションの種類内容目的
軽い運動座ってできる体操・ヨガウォーキングストレッチ軽い筋力トレーニング筋力と柔軟性の維持関節の可動域を広げるバランス感覚の向上転倒リスクの軽減
頭脳ゲームクロスワードパズル数読記憶ゲームカード・ボードゲームクイズ認知機能の維持・向上集中力の向上      
手芸・工芸編み物ビーズアート絵画折り紙フラワーアレンジメント貼り絵習字手先を動かして細かい動作を維持する集中力の向上達成感を得て自信をつける
各種イベント誕生日会季節のイベント(お花見・クリスマス会など)映画鑑賞会ほかの入所者との交流社会的なつながりの維持孤独感・孤立感の軽減
音楽療法カラオケ楽器の演奏音楽鑑賞リラクゼーションと心の癒し音楽を通じた思い出の共有

レクリエーション活動は、入所者同士の交流を深め日常生活に楽しさをプラスしてくれるため、施設での生活をハリのあるものにしてくれるでしょう。

レクリエーションの後は、おやつの時間です。入所者様の中には、楽しみにしている人も多いため、期待に添えるようにさまざまなおやつを準備しています。

また、レクリエーションの一環として、入所者様も一緒に手作りでおやつを作る場合もあります。

おやつ作りでは作る楽しみと食べる楽しみの両方を味わえるため、入所者様はもちろん介護スタッフにも人気のレクリエーションです。

食と夜の過ごし方

夕食と夜の過ごし方

老人ホームの夕食でも入所者の健康状態に合わせた、栄養バランスの良いメニューが提供されます。

食事の際は介護スタッフが一人ひとりの食事状況を確認し、一人で食事を摂るのが難しい方には必要なサポートを行うため、どなたでも安心して食事を楽しめるでしょう。

夕食後は、テレビを見たり読書をしたりと、ゆったりと過ごせる時間もあるため、個人のリズムに合わせて就寝の準備をしていただきます。

また、就寝前には介護スタッフにより、口腔ケアや着替えなどをサポートします。

就寝後は、スタッフによる定期的な見守りが行われ、緊急時の場合もすぐに対応できる体制も整っているため、穏やかに夜を過ごせるでしょう。

夕食のメニューと食事ケア

老人ホームでの夕食は、一日の終わりを締めくくる大切な食事です。

昼食同様、夕食も栄養バランスに配慮されたメニューを提供しますが、夕食は消化しやすい食材を中心に、体への負担が少ない料理がメインです。

また、食事の際はスタッフが食事の進み具合を見守りながらサポートを行い、入所者様が自分のペースで食事を取れるよう配慮しています。

入所者様がメニューを選べる「セレクト食」を導入している施設では、和食や洋食、中華などから好きなものを選択できます。

食事の時間は入所者様同士の交流の場でもあるため、和やかな雰囲気の中で過ごせるように介護スタッフも気を配ってくれるでしょう。

就寝準備とナイトケア

夜の就寝準備では身体的なケアだけでなく、安心して眠りにつけるように心地よい環境作りも重要です。

口腔ケアや着替えなどのナイトケアでは、介護スタッフが一人ひとりの状態に合わせてサポートを行います。

また、寝つきやすいようにリラックスできる音楽を流すなど、快適な睡眠環境を整えます。さらに、定期的な見守りを行い、緊急時の場合でもすぐに対応できる体制を整えているため、夜間も安心して過ごせるでしょう。

老人ホームでの日常生活の魅力

老人ホーム生活の一日を知る:起床から就寝まで_老人ホームでの日常生活の魅力

老人ホームでの日常生活には、さまざまな魅力があります。

まず、安心して生活できる環境が提供されることは、大きな魅力のひとつでしょう。

老人ホームでは専門のスタッフが常駐し、日常生活上のさまざまなケアや健康管理を行います。

また、入所者様の生活リズムやニーズに合わせたサービスが提供されるため、安心・安全な生活を送れるでしょう。

次に、老人ホームは孤独感を得にくい環境という点も、魅力といえます。

老人ホームでは、ほかの入所者との交流も行われます。共通のレクリエーションやイベントに参加すれば、自然となじみの関係が作られ、日々の生活にも充実感が生まれるでしょう。

さらに、家族とのコミュニケーションの機会も大切にされており、定期的な外出やインターネットを活用した遠隔での面会ができる所も増えています。

家族とのコミュニケーション

老人ホームでの生活において、家族とのコミュニケーションは非常に大切です。

多くの施設では、家族が定期的に訪問できるよう柔軟な対応を心がけています。遠方に住まわれている方とも、インターネットでのビデオ通話を利用して、気軽にコミュニケーションできる施設も増えています。

とくに、定期的な家族との面会や連絡があれば、入所者様も家族とのつながりがあることを確かめられ、老人ホームでの生活を安心して送れるでしょう。

特別なイベントやお祝い

老人ホームでは季節のイベントや特別なお祝いが定期的に開催され、入所者様の施設生活に彩りを添えています。

老人ホームでは、以下の表にあるようなイベントが行われています。

季節イベント内容
春のイベントお花見桜の季節には施設内や近隣の公園などで、お花見を楽しみます
ひな祭りひな人形を飾り、甘酒やひなあられを楽しみます
母の日女性の入所者様に感謝の気持ちを伝え、家族やスタッフとの交流を深めます
夏のイベント父の日男性の入所者様に感謝の気持ちを伝え、家族やスタッフとの交流を深めます
夏祭り屋台を模した出店や盆踊り大会などが開催されます  
七夕まつり短冊に願い事を書いて笹に飾ります
秋のイベント敬老の日入所者様をお祝いするイベントで、特別な食事やプレゼントが用意されます
収穫祭秋の味覚を楽しむために、施設内で果物狩りや料理イベントが開催されます
冬のイベントクリスマス会クリスマスツリーの飾り付けや、ケーキを囲んでのパーティーが行われます 職員による余興やプレゼント交換などが催されます
お正月新年を祝い、書初めや餅つき大会が開催され、おせち料理が提供されます

季節のイベントでは入所者様に季節を感じてもらうだけでなく、ほかの入所者様や家族、スタッフと交流する機会といえるでしょう。

また、地域の方々が参加する場合もあるため、単調になりがちな施設での生活に変化をもたらし、入所者様の生活に活力を与えてくれます。

まとめ:老人ホームでの安心できる生活

老人ホーム生活の一日を知る:起床から就寝まで_まとめ:老人ホームでの安心できる生活

老人ホームでの一日は、入所者様の生活の質をあげるためにスケジュールが組まれています。

老人ホームに入所してもできるだけ今までの生活を続け、幸せに暮らせるように施設スタッフがサポートを行います。

しかし、自分や家族に合った老人ホームを見つけたくても、実際に老人ホームでの生活がどのようなものかは、外からではなかなかうかがえません。

そのため、本記事を参考に老人ホームでの生活がどのようなものかを理解し、あなたや家族が安心して幸せに暮らせる老人ホームを見つけてください。

著者プロフィール

奥川 敦史(認知症介護実践者研修修了)
奥川 敦史(認知症介護実践者研修修了)
静岡市駿河区生まれ。2003年より介護事業運営会社にて訪問入浴の現場業務に関わる傍ら、新規事業所開設の申請や品質管理業務といった運営本部の業務に関わる。その後もグループホーム、デイサービス、サ高住の施設長といった現場業務の他、人事、総務など老人ホーム運営業務全般に携わってきた。また、運営本部の入居相談窓口担当としてのキャリアも長く、様々なケースの相談事例に対応してきた。趣味は家族での動物園巡り。

監修者プロフィール

奥川 敦史(認知症介護実践者研修修了)
奥川 敦史(認知症介護実践者研修修了)
静岡市駿河区生まれ。2003年より介護事業運営会社にて訪問入浴の現場業務に関わる傍ら、新規事業所開設の申請や品質管理業務といった運営本部の業務に関わる。その後もグループホーム、デイサービス、サ高住の施設長といった現場業務の他、人事、総務など老人ホーム運営業務全般に携わってきた。また、運営本部の入居相談窓口担当としてのキャリアも長く、様々なケースの相談事例に対応してきた。趣味は家族での動物園巡り。

関連記事