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「外で仕事を頑張って、帰ると親の介護」「仕事がお休みでも介護は休めないので、気を抜く暇もない」、そんな毎日を送っていませんか? 仕事と介護の両立はむずかしいものです。大事だからこそ自分で面倒を見てあげたいけれど、親だからこそイライラしてしまうこともあるでしょう。ストレスの溜めこみすぎはゆくゆく身体の不調につながります。介護のストレスを軽減することで自分と家族との大切な生活を続けていくことができます。今回は、ストレスを軽減するための方法を紹介していきます。
目次
ストレスを軽減するにはストレスの原因をなくすことにほかなりません。ストレスを引き起こす原因は主に以下の3つです。
ここからは、これら3つの原因について詳しく見ていきます。
高齢になると筋力やバランス感覚などさまざまな身体機能が弱まっていきます。認知症の罹患率も高くなり、認知機能の低下も見られたりします。それらが原因で歩行が不安定になったり、排泄したいと感じる感覚が弱まったりしていくと、日常生活にも影響が出てきます。
例えば排泄に関してですが、成人の1日の排尿回数は4〜8回程度です。トイレのたびに付き添う場合、数時間おきに付き添う必要が出てきます。夜中にトイレに行く際には、介護者も十分な睡眠をとることが難しくなります。
食事の食べこぼしや排泄の失敗があると、片づけや着替えの介護も必要です。洗濯物が増えたり、においに対処する負担も出てきます。認知症が進行し、徘徊や昼夜逆転が見られてくると、身体的にも精神的にもかなりの負担になっていきます。
介護の量が増すと、介護者の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、介護の負担を軽減することが重要ですが、そのためには経済的な負担も伴うことがしばしばあります。例えば、介護保険サービスのデイサービスを週に2回利用する場合、1ヶ月の利用料は3〜4万円ほどかかります。また、オムツなどの介護用品が必要になると、月々数千円の費用が追加されることもあります。
施設に入所した場合、身体的負担はありませんが経済的負担は大きくなります。例えばサービス付き高齢者住宅やグループホームであれば18〜20万円以上の費用がかかることもあり、費用面から入所が困難なケースも珍しくありません。
介護が必要な方の多くは持病を抱えています。そのため、定期的な受診が必要であったり、体調を崩しやすくなったりします。受診の付き添いや看病のために繁忙期や急な休みを取ることもあるでしょう。こうした休みが続くと、会社に対して申し訳ない気持ちになり、肩身の狭い思いをすることもあります。さらに、仕事が終わって家に帰っても介護が待っており、休む間もなく翌日が訪れます。土日も関係なく、介護と職場への配慮を両立するのは非常に難しいことです。
介護はひとりではできないという言葉が介護業界にはあります。この言葉は親の介護をしている方にも当てはまります。介護者が疲弊してしまえば、大切な親も共倒れになり兼ねません。ここからは親の介護のストレスを軽減する方法を4つお伝えします。
介護のことなので介護のプロにお願いするのは有効な手段です。介護事業所は専門スタッフの配置人数や設備面など沢山の基準が義務付けられています。基準を満たした事業者によるサービスは多岐に渡り、大きく介護保険サービスと介護保険外サービスに分けられます。どちらもプロが提供する介護サービスなので大きな負担軽減となります。以下、介護保険サービスと介護保険外サービスについて説明します。
介護保険サービスとは、介護保険制度に基づいて日常生活に支障をきたす高齢者を対象とした1〜3割の自己負担で利用できるサービスです。市役所等で申請後、必要な介護度合いを7段階で判定され介護度合いに応じたサービスを受けることができます。
介護保険サービスには、日帰りで通ってサービスを受けるデイサービスや自宅に介護や家事の支援が来る訪問介護、車椅子や介護ベッド等の福祉用具の購入やレンタルに補助を受けられるサービスなどさまざまなものがあります。
特に自宅での介護の場合、数日から数週間宿泊することができるショートステイの活用はとても有効です。完全に介護から離れることで介護者が休息する時間を作り、外出や旅行に出かけるなど精神的にリフレッシュすることもできます。また親は介護や看護の専門職員のサービスを受けられ自宅での介護のヒントが得られたり、社会参加やリハビリの時間になったりもします。
介護保険外サービスとは、介護保険制度には該当しないものの、介護に必要とされるサービスのことを指します。介護保険ではカバーしきれない、かゆいところに手が届くサービスも多く、一人一人にカスタマイズしたサービスを受けることが可能です。サービス利用は全額自己負担となるため事前に料金の確認が必要となります。
介護保険外サービスには、食事を届けてくれる配食サービスや車椅子に対応している移送サービス、自宅に散髪等にきてくれる訪問理美容などさまざまなものがあります。また、近隣の社会福祉協議会等では話し相手になってくれる傾聴ボランティアや介護予防教室を行っているところもあります。訪問理美容をうまく活用すれば、床屋までのつきそいや理容用の椅子に座り直す必要もなく、自宅で定期的にヘアカットが終えられかなりの負担軽減になります。
専門家に相談することで介護負担を軽減するさまざまなアドバイスをもらうことができます。医者は医療のスペシャリストです。例えば、親が頻尿でトイレへのつきそいが大変な場合、頻尿のお薬を処方してもらうことで解決するかもしれません。また慢性の便秘で大変な思いをされているときは便秘になりにくい食事や運動のアドバイスがもらえたりもするでしょう。
ケアマネージャーは介護サービスを熟知した介護の専門家であり、介護サービスを利用する際の計画書の作成も行います。遠慮せず日頃の困りごとや疲れていることを相談してください。各々の事情に応じ、適切なサービスを盛り込んだサービスプランを提案してくれます。
介護者の会とは、介護を担う人たちが集まり、情報交換や交流などを行う場です。同じ立場の人たちが集まるため、自分だけが抱えてきた悩みや問題を共感しあう場になります。また介護に関する情報や知識を得ることもでき、負担軽減のヒントを得られます。
介護者の会は自治体や介護施設や病院、社会福祉協議会が主催していることが多く、中には特定の病気や高齢者介護などジャンルに特化したものもあります。自分に合った介護者の会を見つけてみましょう。
いずれも法律で定められた会社を休むことができる制度です。介護休暇は最大10日間取得ができ、休暇中の給与の一部が支払われます。介護休業は最大で93日取得可能で介護保険から一定の給付金が支払われることもあります。休暇や休業を利用することで時間や体力的な余裕を確保できます。また、この間に疲労回復を行うことで介護者の健康状態を維持し、介護に対するモチベーションも維持していくことができます。
関連記事:介護休暇とは?介護休業との違いや取得条件、賃金の有無を解説
今までお伝えしてきた以外にもストレス軽減する方法はあります。できることからはじめてストレスを軽減していきましょう。自分の健康も大切にしながら介護を継続していく方法をいくつかご紹介します。
自分の時間を確保しリフレッシュする時間を作りましょう。自分の趣味を楽しんだり映画を観たりなど、リフレッシュすることで心身の疲労を回復できます。また、介護に対してのメリハリもでき、充実感も得られるでしょう。
睡眠は心身にとって不可欠で重要な回復時間です。睡眠には、疲労回復の他、集中力や免疫力の向上、メンタルヘルスの改善効果が知られています。十分な睡眠を取り、身体と精神の健康を維持していきましょう。
介護はいつ終わるか見通しが立ちにくいものです。また、24時間365日必要となることもあります。大切な親を介護し続けるためには、無理をしすぎないことが重要です。すべてを一人で抱え込むと、職場や家庭、健康にまで影響が及びます。家族や兄弟で協力し、可能な部分を分担していきましょう。職場においても、福利厚生や労働組合に相談しておくことで、急な休みが必要になった際の備えができます。また、ケアマネージャーなどの専門職に日常の状況を伝え、自分の負担を溜め込みすぎないように事前に対策を講じておくことも大切です。
介護施設への入居は介護疲れへの1番の軽減・解消になります。日常の介護は専門の職員が行うため大幅な負担軽減になり、また、自分の時間を確保しやすくなります。施設への面会や一緒に外出する機会を作ることで、親に会うこともできますし、家族にしかできない精神的な部分の介護を行うことも可能です。
施設には様々な種類があり、軽度な高齢者を主な対象とするサービス付き高齢者住宅やグループホームやリハビリ目的の介護老人保険施設、重度な方を対象とした特別養護老人ホームなどがあります。施設に入居するには1ヶ月15万円〜20万円程度の費用が必要となります。特別養護老人ホームや介護老人保健施設には低所得者向けに費用減免となる制度があります。
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親の介護期間は、平均で4〜6年ほどと言われています。日本人の平均寿命が女性で84歳くらいなので、80歳前後から介護が必要になるケースが多いと思われます。親が80歳であれば子は50代くらいでしょう。定年65歳が標準の今、仕事と介護の両立は10年以上になってもおかしくない時代だと言えます。
また、80歳〜84歳の5人に1人は認知症というデータがあります。認知症になると、記憶や判断力、思考力などの低下が見られるようになります。家族は、同じことを繰り返し聞かれたり、物を盗られたと言われたりすることもあるでしょう。
認知症の介護は、大きなストレスがかかります。対処法として、まず認知症はどのような症状でどのように進行していくのか知ることが大切です。突飛な行動をしている場合でも、認知症の症状を理解することで、なぜそのような行動に至ったのかひもとくことができたりします。悪意があるわけではなく、病気がそうさせていると理解することが大切です。
情報共有や交流を目的として、各地域で認知症サポーター養成講座や認知症カフェ、認知症と家族の会など集いの場があります。集いの場に参加することも対処法のひとつです。
親の介護は心身ともに大きな負担となることが多く、どのように対応すればよいか悩まれる方も多いでしょう。特に、介護が長期化する場合や自宅でのケアが難しい場合、適切な施設選びが重要となります。
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