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パーキンソン病の進行と老人ホーム選びのポイント

2024年6月27日
朝日けい(看護師・保健師)
カテゴリー:
介護お役立ち情報

「パーキンソン病ってどんな症状があるの?」「パーキンソン病でも老人ホームに入れるの?」

このように悩んでいる方はいませんか。

この記事ではパーキンソン病の進行と必要なケア、老人ホーム選びのポイントをご紹介します

目次

パーキンソン病の進行段階とケアの必要性

パーキンソン病はどのような病気がご存じでしょうか。

パーキンソン病は脳内の神経伝達物質であるドパミンが減少して起こる病気で、手足のふるえ、体の動きが遅くなる、歩きにくいなどの症状が現れます。

年齢が高くなるほど発症しやすくなるといわれており、パーキンソン病の患者数は2020年の厚生労働省の調査で28万9000人と報告されています。

症状さまざまですが人によって異なるため、それぞれの症状や進行に応じて適切なケアを行うことが重要です。適切なケアを理解することは、今後の老人ホーム選びにも役立つでしょう。

この記事ではパーキンソン病の症状やケア、老人ホームを選ぶときのポイントについてお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。

〈参考サイト〉

令和2年患者調査|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/r02syobyo.pdf

パーキンソン病の初期段階におけるケア

初期段階では、軽度の運動障害や細かな震えが見られます。

たとえば、手足の震えや、立ち上がる動作・歩く速さが遅くなることがあります。症状の進行がゆっくりのため、初期段階では見過ごされることが少なくありません。

しかし、進行を遅らせるためには適切な治療が必要ですので、早めの対応が重要です。

早い段階から専門医による治療を受けると、症状のコントロールができたり、症状が安定している期間を長くすることができたりします。

また、症状の進行を遅らせるために、薬物治療や定期的なリハビリテーションとともに、症状に合わせて日常生活支援を行います。

日常生活支援のポイントは以下の3つです。

  • 手足の震えでセルフケアが困難な場合でも、本人の能力を活かしつつ支援すること
  • 動作が遅くなり思うように動けない場合、高いベッドやつまずきやすい靴は転倒・転落のリスクとなるため環境調整を行うこと
  • 生活リズムをつけることや前向きな言葉をかけ、本人の意欲を維持すること

「これまでできていたことができなくなってしまった」という本人の想いを傾聴しながら、パーキンソン病とうまく付き合えるようサポートできたらいいですね。

〈参考サイト〉

・パーキンソン病の検査は何をする?|脳神経リハビリセンター仙台 https://noureha-nagoya.jp/parkinson-examination/

・パーキンソン病-看護の視点~心や身体のケアについて|日本静脈経腸栄養学会雑誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/32/5/32_1448/_pdf/-char/ja

パーキンソン病の中期段階におけるケア

中期段階では、症状が進行し、日常生活に支障をきたすことが多くなります。

比較的多くみられる症状が「ウェアリングオフ現象」と「ジスキネジア」です。

  • ウェアリングオフ現象

パーキンソン病治療の中心となるL-ドパという薬を飲むとパーキンソン病の症状が良くなりますが、飲んで2~3時間経つと薬の効果が切れてしまう症状です。手足の震え・動作が遅くなる・だるくなるといった症状があります。

  • ジスキネジア

ウェアリングオフ現象が出始めた時期から少し遅れて出てくることが多いです。L-ドパの効果がある時間帯にもかかわらず、手足の震えや口をもぐもぐさせる動きなどの症状が現れます。

中期段階のケアとしては、薬の管理や食事のサポートが重要です。

たとえば、確実に内服できるよう本人の状態に合わせた薬の管理・服薬支援や、食事では姿勢のサポートや嚥下状態に応じて食形態を考慮することが挙げられます。

また「ウェアリングオフ現象」や「ジスキネジア」が多くみられるようになった場合は、進行期の段階に入っていると考えられます。早めに主治医に相談しましょう。

症状の進行により、ご本人の精神面への支援も大切です。「だんだんと体が動かなくなってきた」「手伝ってもらうことが増えた」と悲しみを抱える方もいるでしょう。残された力を最大限に活かしながら、生活への難しさを感じないように働きかけることができたら良いですね。

老人ホームを検討する場合、パーキンソン病対応の老人ホームでは、専門のスタッフによる日常生活支援やリハビリテーション、適切な医療ケアが提供されます。専門性のあるケアを受けられることが安心感にもつながるでしょう。

〈参考サイト〉

・パーキンソン病について|慶應義塾大学病院パーキンソン病センター https://pd-center.hosp.keio.ac.jp/perkinson

・パーキンソン病-看護の視点~心や身体のケアについて|日本静脈経腸栄養学会雑誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/32/5/32_1448/_pdf/-char/ja

パーキンソン病の進行段階におけるケア

進行段階では、重度の運動障害や嚥下困難、精神症状が現れます。

具体的には、以下のような症状です。

  • 立ち上がりや歩行が難しくなり、ベッドで寝ていることが多くなる
  • 姿勢を保持することが困難なため食事のときにポジショニングが必要になる
  • 食事ができない場合は経管栄養が選択されることがある
  • 不安やうつ、パニック発作、無気力がみられる
  • その他、便秘や排尿障害、嗅覚障害、不眠などの症状があらわれる

病気の進行とともにこれまでの治療(飲み薬や貼り薬)では十分な効果が得られにくくなってきます。前述の「ウェアリングオフ現象」や「ジスキネジア」があらわれ、日常生活に支障がきたしてきた場合「デバイス補助療法」を検討します。

治療薬の効果が得られにくくなる原因は、進行段階では胃や腸の動きが悪くなり、小腸から薬の吸収が不安定になるためです。

そこで「デバイス補助療法」という、医療機器を用いて小腸に直接薬剤を投与する方法があります。

「デバイス補充療法」をおこなうには条件がありますので、主治医と十分な相談の上ですすめることが重要です。

また進行段階になると、日常生活でのケアの必要度も高まるため、日常生活全般への支援や精神症状が出現したときのサポートも大切です。

パーキンソン病の方が自宅で生活している場合は家族の負担も考慮し、専門スタッフのサポート体制を整えると安心感につながります。

老人ホームの種類と特徴 

老人ホームには種類があることをご存じでしょうか。中には「違いがわからない」と思われている方もいるかもしれません。

今回は以下の老人ホームについてお伝えします。

  • 一般的な老人ホーム
  • 介護付き有料老人ホーム
  • パーキンソン病対応の有料老人ホーム

施設の特徴を理解しておくことは、パーキンソン病の方に適した施設を選択することに役立つでしょう。

一般的な老人ホームの特徴 

ここでは、一般的な老人ホームと呼ばれる中の介護老人保健施設の特徴についてお伝えします。

介護老人保健施設は、病状が安定している高齢者が、専門スタッフによるリハビリを通じて在宅復帰を目指す施設です。

特徴として、施設サービス(入所)・ショートステイ・通所リハビリの3種類の利用方法があります。

施設サービス(入所)

条件として要介護1~5である必要があります。介護や看護・医療が受けられ、日常生活へ復帰するためのリハビリを行います。

入所期間の目安は3~6カ月程度です。

ショートステイ

短期間だけ入所してサービスを受けられます。自宅での介護・看護が一時的に難しくなった場合に検討されます。サービス内容は入所サービスとほぼ同様です。

通所リハビリ

要介護1~5、要支援1~2の認定を受けた方が、施設に通って専門スタッフからリハビリを受けることができます。

介護老人保健施設は、介護度は高いが病状が安定している方へのケアやサービスを提供されていることが多く、パーキンソン病などの特別な医療ケアが必要な場合には、対応が不十分なことがあります。

パーキンソン病に詳しい医療スタッフの常駐やリハビリテーションプログラムがないことが多いため、選択する際には注意が必要です。

在宅復帰を目的とした施設のため、専門スタッフからのリハビリを受けられますが、「施設で長期間ゆったり過ごしたい」と考えておられる方には他の施設を検討する必要があるでしょう。

施設によって人員配置やサービス内容が異なるため、事前に情報収集をしておきましょう。

〈参考サイト〉

・老健施設とは|全国老人保健施設協会 https://www.roken.or.jp/about_roken

介護付き有料老人ホームの特徴 

介護付き有料老人ホームでは、日常生活支援に加え、専門的な介護や医療サービスが提供されます。具体的なサービスは以下のとおりです。

  • スタッフが常駐しており、看護師または准看護師の配置が義務付けられている
  • 検温、血圧や脈拍のチェック、服薬の管理、褥瘡や怪我対応などの医療行為も提供できる
  • 協力医療機関の体制を整えることが義務付けられており、夜間の体調不良時への対応ができる
  • 機能訓練(リハビリテーション)も重要視されており、入居者の体力や機能を維持できるよう働きかける
  • 栄養士の配置により介護食への対応ができ、入居者の嚥下や咀嚼状態を考慮した食事の提供ができる

このように、スタッフが常駐しており緊急時にも迅速に対応できる体制が整っています。

また、介護付き有料老人ホームではアクティビティやレクリエーションが充実している施設が多くあります。季節にちなんだイベントや囲碁やコーラスといったサークル活動もおこなわれています。

施設でも入居者同士やスタッフと交流をもち、その人らしい生活が送れるような環境が整えられているため、意欲の向上にも繋がります。

さらに、ケアマネジャーも配置されており、個別のケアプランを作成します。入居者一人ひとりの想いに沿ったサービスを受けられるため、生活の質の向上にも結びつくでしょう。

最近では、看取り対応をしている施設も増えてきました。介護付き有料老人ホームは基本的に人生の最期のときまで利用可能な施設です。

入居者や家族の想いに沿い、最期まで穏やかに過ごせるようなケアを受けられたら安心ですね。

もし「施設で最期まで過ごしたい」という希望がある場合には、入居を考える際に看取り体制についても情報収集しておきましょう。

パーキンソン病対応の有料老人ホームの特徴 

介護付き有料老人ホームの中には、「パーキンソン病専門」の施設もあり、以下のような特徴があります。

  • パーキンソン病の専門知識を持つ看護師や理学療法士、作業療法士などのスタッフが在籍し、症状管理やリハビリテーションを行う
  • 24時間体制で看護師が常駐し、医療的ケアが必要でも昼夜関係なく対応できる
  • パーキンソン病特有の症状に対応したリハビリテーションプログラムがある
  • 嚥下障害に対応した食事の提供がある
  • 手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー設備が整っている
  • 脳神経内科病院と提携し、専門医師の定期的な訪問診療がある
  • 薬剤師による服薬管理の対応がある

このように、パーキンソン病の状態に配慮されたサービスが受けられます。施設によっては、薬剤師とも連携し、薬剤管理をおこなっているところもあります。

しかし、パーキンソン病専門の施設がお住まいの地域にない場合もあるでしょう。

パーキンソン病専門でなくても、介護付き有料老人ホームで対応可能なところはあり、一部の住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でもパーキンソン病対応可能な施設はあります。

その場合には、「看護師が24時間体制か」「リハビリの専門スタッフがいるか」「医療は整っているか」「手厚いケアが受けられるか」という点は確認しておくといいでしょう。

パーキンソン病は進行状態によって医療的ケアが必要になってくるため、看護師が常駐していると安心です。また、パーキンソン病特有の「動きがゆっくり」という状態であっても、入居者を見守り、残存された力を活かしたケアを提供されることが安全や意欲の向上にもなります。

パーキンソン病専門でなくても、「安心・安全」と「その人らしさ」を大切にしてくれる施設を選びたいですね。

静岡県内のパーキンソン病対応の有料老人ホーム一覧

パーキンソン病患者に適した老人ホームの選び方

パーキンソン病は、経過とともに進行していく病気であるため、段階に沿った対応やケアが受けられることを軸として施設を選ぶと良いでしょう。

また病気の進行により「今までできていたことが困難になった」という本人や家族の想いに寄り添い、穏やかに過ごせるサポートを受けられることも大切にしたいですね。

では、パーキンソン病の方に適切な老人ホームを選ぶためのポイント3つを具体的にお伝えします。

専門的なケアが提供されるか 

専門的なケアが提供されることは、本人や家族が施設で安心して過ごせることに繋がるでしょう。

スタッフの資格や経験

看護師や理学療法士、作業療法士などの専門職が常駐しているとともに、パーキンソン病に特化した研修を受けたスタッフがいると安心感につながるでしょう。定期的な職員研修や教育体制についても確認できたら良いですね。また、これまでにパーキンソン病の方の受け入れや実績があるのか聞いてみるのも良いかもしれません。どのように対応してもらえるのかわかると、施設の生活への不安も軽減されるでしょう。

リハビリテーションプラグラムの内容

パーキンソン病の症状として「動作がゆっくり」なことや「筋肉が固くなり動かしにくい」ことがあります。このような症状に対して専門的なリハビリテーションが行われているか、内容や頻度についても確認しておきましょう。無理なリハビリテーションは身体に負担だけでなく、意欲の低下にもつながります。本人の体調や想いにも寄り添いながら実施してくれる体制や雰囲気も大切にしたいですね。

薬の管理体制

パーキンソン病と付き合いながら生活するには、薬の調整が欠かせません。

ウェアリングオフ現象やジスキネジアの症状が出たときや、日ごろの些細な症状の変化を敏感に察知し、医師と連携をとり、その人の症状や進行段階に適した薬剤投与が重要です。

そのため、パーキンソン病の内服薬や貼付薬が確実に投与できるように管理体制が整っているかも重要なポイントです。確認しておきましょう。

不安や心配なことは情報収集や見学の際に確認してみてくださいね。

施設の設備とバリアフリー環境が整っているか 

パーキンソン病の方にとって、生活する環境が整っていることはとても大切です。

なぜなら、パーキンソン病の運動症状と呼ばれる症状により転倒・転落のリスクが高まるためです。

〈パーキンソン病の主な運動症状〉

  • 無動:動きが素早くできない・歩くときに足が出ない など
  • 筋強剛:肩、膝、指などの筋肉が固くなりスムーズに動かしにくい
  • 静止時振戦:何もしないでじっとしているときに震える
  • 姿勢反射障害:体のバランスがとりにくくなり、転びやすい・歩いていて止まれなくなる、方向転換が難しい など

このように、体が思うように動かないことにより少しの段差につまずいたり、誤って椅子やベッドから転落してしまったりする可能性があります。

そのため、手すりや転倒しにくい床材が設置されていると安心です。

また、症状によっては車いすの使用が必要なため、車いす対応の通路や浴室などもあると良いでしょう。

そのほかに、リハビリテーション設備や緊急時に迅速に対応できる呼び出しボタンの設置も重要なポイントです。

設備ももちろんですが、ベッドは低床に設定したり、動きにくい衣服やつまずきやすい靴は避けたりと、自分たちで調整できる部分は行うことも大切ですね。

さらに、施設スタッフが日常的にできる対応もあります。

  • 車いすからのずり落ちを防止するためのポジショニングをおこなうこと
  • 生活環境の周りにものを置かないこと
  • 床が濡れていることがないようにすること

このような転倒や転落に対する安全対策が整っていると良いでしょう。

医療機関との連携体制の確認 

パーキンソン病は症状に応じた薬剤の調整が必要なため、医療機関との連携が欠かせません。

施設と医療機関がどのように連携しているのか、2つのポイントを確認しておきましょう。

定期的な診察

パーキンソン病は症状が少しずつ進行していくので、経過をみるという意味でも定期的な医師の診察が大切です。医師の訪問の頻度や、症状の変化があったときの対応なども確認しておきましょう。脳神経内科医などパーキンソン病専門医との連携がある施設だと、より適切な治療を受けられる場合があります。施設と連携している病院についても情報収集しておくと良いでしょう。

緊急時の対応

急に体調が悪くなったときの対応についても気になるところですね。

緊急時の主治医との連絡方法や近隣の医療機関との連携についても確認しておきましょう。

また、施設内の緊急時の対応も知っておくと安心です。医療・介護スタッフの連携体制が整っていることは、不測の事態にも迅速に対応できることに繋がります。

施設に入所する方にとって「安心して生活できること」は大切なことです。定期的な医師の診察や緊急時の体制が整っていると安心して過ごせますね。

パーキンソン病対応の老人ホームの費用と補助制度 

施設の入所を考えるときに、費用も気になるところでしょう。

パーキンソン病対応の老人ホームは、専門的なスタッフの在籍や手厚いケアが整っていることや、治療が長期にわたることから費用や医療費が高額になる傾向があります。

経済面の負担を軽減するために、施設の費用の内訳や利用できる公的補助制度について知っておきましょう。

パーキンソン病対応の老人ホームの費用内訳 

ここでは、パーキンソン病対応が可能な施設のひとつである介護付き有料老人ホームの費用内訳についてお伝えします。

まず、施設に入居するときに始めにかかる費用が「入居一時金」と「月額利用料」です。

入居にかかる費用入居一時金月額費用
静岡県の相場0~1800万円10~45万円

*あくまでも相場ですので、施設を選ぶときの目安としてください。

〈参考・引用サイト〉

【静岡県相場・料金表】老人ホームの費用について|静岡老人ホーム紹介タウンYAYA

中には入居一時金の費用が0円の施設もありますが、そのぶん月額利用料が増える傾向にあります。

月額利用料は、入居後に毎月かかる利用料です。内訳としては以下のものが含まれます。

  • 賃料、管理費
  • 食費
  • 水道、光熱費
  • その他(日用品や医療費、外部の介護サービス費など)

パーキンソン病の方は、病院での診察が必要なことがありますが、診察費や通院費、薬代や送迎費は自己負担です。

また、施設外のリハビリテーションや訪問看護などのサービスを追加利用する場合、費用は自己負担となります。

入居時一時金・月額利用料とその内訳を知っておくことで、予算にあった施設選びができるでしょう。

パーキンソン病の方が利用できる公的補助制度 

【難病の医療費助成制度】

〈対象者〉

・ホーン&ヤール重症度分類Ⅲ度以上で生活機能障害度Ⅱ度以上

 *条件を満たさない場合でも1カ月の医療費総額が33,330円を超える月が年間3回以上ある場合は補助の対象となります

〈ポイント〉

  • 医療費の自己負担は原則2割
  • 助成を受けられるのは指定医療機関で受けた医療費のみ
  • 難病指定医による診断書(臨床個人調査票)が必要で、都道府県および政令指定都市の窓口に申請する
  • 支給認定の有効期間は原則1年以内のため、1年ごとに更新が必要

【介護保険制度】

〈対象者〉

  • 第1号被保険者:市区町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
  • 第2号被保険者:市区町村の区域内に住所を有する40歳以上~65歳未満の医療保険加入者

〈ポイント〉

  • 訪問介護、訪問看護、訪問入浴、通所介護、通所リハビリ、短期入所、福祉用具貸与、福祉用具購入、住宅改修などのサービスが受けられる
  • 要介護度に応じてケアマネジャーが利用者と家族の意向に沿ってサービスを調整する
  • 要介護認定申請書を、各市区町村の介護保険窓口に申請する

【高額療養費】

医療保険制度の一部で、1カ月の医療費の自己負担が限度額を超えた場合、市区町村窓口に申請することにより、超えた分を払い戻してもらうことができる制度です。

難病の医療費助成制度が適応にならない場合は、医療保険制度を有効に活用してみましょう。

〈参考サイト〉

・パーキンソン病患者の公的支援制度|独立行政法人国立病院機構相模原病院 https://www.boehringer-ingelheim.com/sites/default/files/jp/2022-07/parkinson_0_1808.pdf

パーキンソン病患者と家族のための老人ホーム選びのポイント

ここまで、パーキンソン病の方に適した施設のことや費用のことなどについてお伝えしました。施設を選ぶにあたり、本人や家族が安心して穏やかに過ごせることを大切にしたいですね。

ここからは、老人ホーム選びの具体的なポイントをお伝えします。

老人ホーム入居前に確認すべき重要な質問 

●スタッフの資格や経験

専門知識や経験豊富なスタッフがいるか・これまでパーキンソン病患者の対応経験があるか 

●ケアプランの内容と見直しの頻度

定期的なケアプランの見直しがされているか・本人の希望に沿った内容になっているか・状態の変化に応じて見直しがされているか

●リハビリテーションの実施状況

パーキンソン病に特化したプログラムがあるか・リハビリ内容や時間、頻度 

●食事の内容と対応可能な食事形態

栄養バランスを考慮した食事内容か・パーキンソン病患者の嚥下状態に合わせた食事形態が可能か 

●緊急時の対応体制

施設内での緊急時対応や主治医との連携体制・近隣の医療機関との連携体制 

●施設や設備

バリアフリー設計かどうか・運動施設やリハビリ機器がそろっているか・広さや清潔さ 

●入居者同士の交流やアクティビティの実施状況

入居者同士の交流状況、アクティビティの内容や頻度、一人ひとりに合ったケア 

●立地と環境

家族の訪問がしやすい場所か・周囲の環境・交通の便 

●料金

費用が予算内に収まるか・費用の内訳内容 

●生活環境

施設の雰囲気が好みか・スタッフとの定期的な面談やコミュニケーションがしっかりとれるか 

ポイントを事前に確認することで施設ごとの特徴もわかり、安心して入居を決めることができるでしょう。

家族のサポートと老人ホーム選びのポイント 

老人ホームを選ぶとき、高齢者が1人で情報収集や施設見学を進めるのは大変なものです。

ご家族がいる場合は、どんな施設が良いかをぜひ一緒に考えてみてください。意見を出し合うことで、より良い施設選びができるでしょう。

ご家族がサポートするときのポイントは以下のとおりです。

・積極的に施設の見学や面談に参加する

ご家族も施設の見学や面談に参加することで、施設やスタッフの雰囲気を知ることができます。何かあったときにすぐ相談しやすい環境も大切ですね。

また、ご家族が定期的に訪問しやすいところだと高齢者もご家族もお互いの様子がよく確認できて安心です。

ケアプランの内容も今の高齢者の状態や想いに沿っているかを確認したり、心配なことは相談してみたりすると良いでしょう。

施設見学のときは、前項の確認ポイントを参考にしてみてくださいね。

・高齢者の意見を尊重する

今後、施設でどのような生活を送りたいか、本人の想いや意見に耳を傾けましょう。

入居する施設を選ぶことは、大きな決断となるものです。お互いに考えを伝え、より安心して穏やかに過ごせる環境を選択できたら良いですね。

しかし、ポイントを考えながら老人ホームを選ぶのは大変なものです。

YAYAでは、パーキンソン病対応可能な静岡県内の老人ホーム探しを無料でお手伝いすることができます。お気軽にご相談ください。

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今回の記事が老人ホーム選びで困っている方の参考になれば幸いです。

著者プロフィール

朝日けい(看護師・保健師)
朝日けい(看護師・保健師)
看護大学卒業後、総合病院やクリニック、保育園看護師を経験。現在は訪問診療クリニックに在籍。多職種と連携し、地域で療養している患者様の生活をサポートしている。

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