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老人ホームを選ぶ際に、いくらかかるかという問題は、大きな問題となります。そのため、「相場はどのくらいだろう?」と考える方も多いのではないでしょうか。老人ホームの費用の幅は大きく、また仕組みも複雑であるため、分かりにくいものとなっています。ここでは老人ホームの費用の仕組みと、静岡県内の費用について解説します。
老人ホームの費用の幅はとても広く、静岡県内でも入居時にかかる入居一時金は0円から7500万円、毎月月の生活にかかる月額の利用料は10万円以下のところから60万円近くかかるところがあります。
施設の種別や入居者の状態によっても大きく異なりますが、大別すると以下のようになります。
老人ホームの入居時費用についてその名称、主旨や目的など様々です。入居の前には費目とその利用目的についてきちんと確認しておくことが大切です。
入居時費用の内容について以下のようなものがあります。
なお、老人福祉法では入居時の費用について、家賃や敷金、介護等を含む日常生活に必要となる行為の対価のみ認められており、「礼金」や「権利金」のような費用は認められていません。
月額利用料を事前に一括払いするものが入居金、入居一時金と呼ばれています。家賃や共用部分の管理費用に充当されることが多いです。前払金と呼ぶ施設もあります。入居時に初期償却が発生する場合もあります。また、年齢や償却期間など施設により異なります。
入居時費用で探す 入居時費用なし ~30万円 ~50万円 ~100万円未満 100万円以上
サービス付き高齢者向け住宅などでよく見られます。一般の賃貸住宅における敷金と同じで、退去時に原状回復費用(通常の使用に伴い発生した損耗を除く)を引いて返還されます。
先述の通り入居金は毎月の利用料の前払いとして位置づけられており、一定期間で償却されます。償却期間は5年~15年と、施設により様々です。また、複数の償却期間のプランを設定していたり、年齢により償却期間が定められている場合などもあります。なお、入居金の償却については初期償却が定められている場合もあり、0~30%程で設定されています。初期償却分は入居契約日で償却され、残りの金額が定められた期間で償却されます。なお、契約日から90日以内の退去については、初期償却分は全額、残りの額は入居期間に応じて返還すること(クーリングオフ)が老人福祉法で定められています。
繰り返しとなりますが、入居金は施設の費用の前払い金と言えます。しかし、老人ホーム入居中に、施設の経営が悪化して倒産、退去を求められましたが償却の済んでいない入居金が返還されないといった事態があったことから、2018年に老人福祉法が改正され、前払金を受領する際は必要な保全措置を講じることが老人ホーム側に義務付けられました。これにより万が一の場合でも、最大500万円を限度に入居金の未償却分が返還されることとなっています。
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老人ホームは生活の場なので、日常生活と同じように様々な費用が発生します。ここでは老人ホーム費用のうち、毎月の利用料について解説します。
家賃は老人ホームの居室面積と所在地により大きく異なります。要介護者を対象としている有料老人ホームの多くは居室面積が13~20㎡程度で、サ高住は18㎡程度が多く、グループホームは11㎡程度の面積になります。自立を対象とした場合は有料老人ホームもサ高住もそれ以上の面積の場合が多く、設備面も居室に浴室、キッチンが設置されているなど充実しているところもあり、それにより家賃も異なります。
月額費用で探す ~10万円 ~15万円 ~20万円 ~25万円 ~30万円未満 ~30万円以上
食費が設定されている施設は、一日に三食の食事と、場合によってはおやつを含む費用として設定されています。自立対象の有料老人ホームやサ高住ではキッチンが備え付けられていて、自炊を前提とするため食事を提供していない施設もあります。
要介護で通常の食事がとれない場合、例えば刻み食やミキサー食、とろみをつけた食事やソフト食、塩分を減らした減塩食、人工透析の方の透析食など特別な手を加えた食事を提供する場合、別途費用が必要となる場合があります。
また、施設側も飽きの来ない食事提供を心掛けているため、季節ごとにイベント食を実施することもあり、上乗せ費用として請求されることもあります。
なお、グループホームは共同生活として食事を提供してもらうのではなく、入居者と職員が共同生活の中で作ることが目的とされているため、「食材費」と表示されている場合もあります。
管理費や共益費は、名称は異なりますが、ほぼ同義で使われていることが多いです。それぞれ共用部分の維持管理費に使用されています。施設内共用部の清掃業者に係る費用、エレベーターなどの設備の定期保守など施設全体の維持管理費として使用されています。
水道光熱費の徴取方法は独立した費目として設定している施設もありますが、管理費、共益費に含めて毎月定額で請求している施設も多いです。また、サ高住などでは戸別に電気、水道等のメーターを設置してそのまま請求となっている施設もあります。
サービス付き高齢者向け住宅では生活支援サービス費を設定している施設が多いです。サ高住の運営基準として、日常の状況把握・生活相談、緊急時の対応といったことが定められており、その相談員の人員配置や緊急通報システムの利用料などに充てられます。なお、生活支援サービスとして行うサービスの範囲は施設により様々で、この費用の中でその他のサービスを実施している場合もあります。
介護付き有料老人ホームやグループホームは介護保険を利用している施設です。介護度によりそれぞれ費用が異なると共に、サービスの利用状況によっては介護保険上の様々な加算が上乗せされます。また、入居者本人の収入により自己負担額が1割~3割と変わります。そのような事情により施設のホームページやパンフレットにはこの部分の金額が記載されていないことが多いです。また、介護保険で行える回数は、各施設で規定しており、重要事項説明書にはそれが記載されています。予定回数を超えた場合は別途費用が発生します。
要介護者を対象とした住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅では、在宅介護のサービス、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルを利用する場合が多いです。これらはそれぞれの介護保険事業所から請求が発生します。こちらも加算や自己負担割合により費用が異なります。
入居中の医療費は訪問診療を施設で受ける場合と、近隣のクリニック、病院等に通院する場合があります。訪問での診療費は受診するよりも割高ですが、受診する際のタクシー代などを考慮すると提携医の訪問診療を利用することがおすすめです。また提携医の利用は緊急時の対応でも連携しているのでオススメです。提携医が専門でない場合や、レントゲン等の機器を使った検査が必要な場合は、近隣の医療機関を受診する必要があります。その際、施設の職員が受診に同行するとなると、その動向にかかる費用が発生する場合があります。
入居者の状態によっては継続的に医療的なケアが必要となる場合があります。その場合は訪問看護を利用し、主治医と連携しながら療養生活を送ることになります。
なお、医療費負担が大きくなってしまう場合には高額医療費の減免制度も利用することができます。
施設で生活する上ではこれ以外にもいくつか費用が発生する場合があります。例えば介護付き有料老人ホームやグループホームでは車いすなど福祉用具を介護保険でレンタルすることができません。そのため、購入するか、保険外でのレンタルを検討する必要があります。
また、入居者の洗濯も月額費用に含まれていない場合やおむつなどの汚物の処理費など、施設により発生する費用があります。
その他にはおむつや居室で使うトイレットペーパー、ティッシュペーパー、歯磨き粉や入れ歯洗浄剤、お菓子などの嗜好品といった日用品にかかる費用も発生します。日用品については、ご家族が持参する、施設で購入して請求するケースなど、施設により異なります。
月額費用で探す ~10万円 ~15万円 ~20万円 ~25万円 ~30万円未満 ~30万円以上
これまで述べてきたように老人ホームには様々な費用が発生します。ここでは介護が必要な方、必要でない方それぞれの老人ホームから請求される費用の考え方について説明します。
※1 サービス付き高齢者向け住宅が特定施設入居者生活介護の指定を受けている場合、扱いは介護付き有料老人ホームとなりますが、生活支援サービスが発生する場合があります。
~10万円のグループホーム ~15万円の介護付き有料老人ホーム ~20万円の介護付き有料老人ホーム
※2 サービス付き高齢者向け住宅のみ
なお、運営会社によっては請求方法を工夫し、医療費や介護保険料など施設以外から請求が発生するものを施設側がとりまとめ、一カ所で請求できるようにしている施設もあります。
~15万円のサービス付き高齢者向け住宅 ~20万円のサービス付き高齢者向け住宅
~20万円の介護付き有料老人ホーム ~25万円の介護付き有料老人ホーム
まだ介護が必要でない方の施設にも2通りのパターンがあります。
1つは高額な入居金などを払い、至れり尽くせりのサービスを受けて生活できる施設、もう一つはシンプルに高齢者専用の賃貸住宅として運営している施設です。
前者は介護型の施設と同様に
家賃+管理費・共益費+食費(サ高住は+生活支援サービス費)
で構成されますが、入居金などで家賃などが抑えられている場合が多いです。また、上記以外のサービスも充実していますが、それぞれ別途料金が設定されています。ホテルのルームサービスに例えると分かり易いかもしれません。
後者の場合はサービス付き高齢者向け住宅で見られ、
家賃+管理費・共益費+生活支援サービス費
で構成されます。この場合、水道光熱費は戸別にメーターが設置され、請求される場合があります。あくまでも住まいとしての機能に特化しているため、介護や生活をサポートするサービスはありません。
これまで述べたように老人ホームには様々な費用が発生します。パンフレットやホームページに記載されている料金「+α」の部分の個人差が非常に大きいからです。そのため、老人ホームを探している人に「いくらかかるの?」と聞かれても正確に答えることは非常に難しいと言えます。
私たちが施設見学の際に、必ず確認することは「今の入居者様には平均でいくらぐらい請求していますか?」「その中に含まれていないものは何ですか?」といった内容です。この内容はホームページやパンフレットを見ただけでは分かりません。最近はあまり見かけませんが、かつては表記上の金額を月額12~3万円としながら、請求時には30万円となっていたという話をよく聞きました。そのため、請求額を確認することが、入居後の費用によるミスマッチを避けるポイントとなると言えます。介護度などを指定して平均額を聞いてみるとより近い金額になるかと思います。事前に毎月の医療費や日用品費を計算しておくと、さらに具体的になると言えます。
入居時費用で探す 入居時費用なし ~30万円 ~50万円 ~100万円未満 100万円以上
月額費用で探す ~10万円 ~15万円 ~20万円 ~25万円 ~30万円未満 ~30万円以上
老人ホームに入居すると高額な負担が発生します。しかし、「人が一人生活するにはどのような費用が発生するか」という観点で考えると、それぞれ必要なものであることが分かります。もちろん、家族で暮らしていた頃よりはその費用負担は大きくなりますが、介護を施設に任せることができる費用が、その差額と言えるかもしれません。
また、年金や貯蓄など、無理なく支払える金額がどの程度なのか考えておく必要があります。もちろん、その前提として老人ホーム入居から何年間そこで過ごすのかという点は大きな問題です。そういった点でも、老人ホームの費用は難しい内容だと言えます。そろそろ施設を探さなさなければというときには、静岡老人ホーム紹介タウンYAYAにご相談ください。相談員が詳しくご案内します。
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