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大切な家族が介護施設でお世話になっているなかで、「最近、施設の対応が悪いのではないか」と不安を募らせている方 もいるでしょう。連絡の遅れ・説明不足・身だしなみの乱れといった小さな違和感を覚えるたびに、「自分が施設に任せきりにしているせいではないか」と罪悪感を抱いてしまうこともあるでしょう。しかし、違和感や不信感を抱くのは決してあなたのせいではありません。本記事では、施設の対応を客観的に見極めるチェックリストや、良好な関係を保ちながら改善を促すための具体的な対処法について解説します。
目次

親や家族を施設に預けている方の多くが、大なり小なり施設に対して違和感や不満を抱いた経験を持っています。「これくらいのことで不満を言うのはわがままだろうか」「カスハラ(カスタマーハラスメント)になるだろうか」と一人で抱え込んでしまう必要はありません。
面会に行った際、衣類の汚れが放置されていたり、以前伝えたはずの要望が現場に伝わっていなかったりすると、不信感を抱くきっかけになります 。大切な家族の命や尊厳に関わる場所だからこそ、ほんの少しのズレに対しても、不安を覚えるのはごく自然なことです。
「仕事や私生活が忙しくて施設に任せきりにしているからだ」と自分を責める必要はありません。まずは客観的な事実を整理することから始めましょう。

すぐに対応すべき緊急性の高いケースは、入居者の生命や身体に危険が及んでいる場合です。この場合は「高齢者虐待防止法」で禁止されている事態が起きている可能性があるので「緊急事態」もあります。これらに該当する場合は、施設との話し合いを待たずに即刻外部へ相談しましょう。
参考:e-GOV「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成十七年法律第百二十四号)第2条第5項、第7条」
体に不自然な打撲痕やあざが何度も見つかるなど、不可解な怪我や不自然な面会制限が繰り返されている場合は、適切なケアが行われていない、あるいは暴力行為虐待や放置の疑いがあります。
職員が強い言葉で本人の尊厳を傷つけるような暴言、車椅子やベッドへの不必要な縛り付け(身体拘束)、入浴や排泄・更衣などの介助を行わずに放置する行為(ネグレクト)が見られる場合は、重大な虐待行為に該当します。また、不自然な体重減少が続いていると、適切な食事提供が行われていない可能性もあります。入居者の生命・身体に危機が迫っていると判断してよいでしょう。
面会時に本人の表情が極端に暗くなったり、特定の職員が近づくだけで怯えたりする場合は、本人が言葉にできない深刻な恐怖や虐待を抱えている可能性があります。職員がいないところで本人から話を聞き、虐待を示すような内容があれば外部への相談を検討しましょう。
転倒などの事故があったにもかかわらず、「大したことではないから」「当事者がいないから」などと理由をつけて状況説明を拒んだり、隠そうとしたりする姿勢が見られると感じた場合は、要注意です。現場担当者が対応してくれないときは、施設の生活相談員や管理者に話してみましょう。それでも納得できないときは、外部へ相談するのも選択肢になります。

施設の対応に問題があるかどうかは、客観的な判断が必要です。その一方で、施設に預けている大切な家族にトラブルが起きると感情が先走ってしまい、冷静に対応できない可能性があります。そこで、本当に施設が故意に隠しているのか、それとも一時的な連絡の遅れなど許容範囲内のものなのかを判断するため、以下のチェックリストを参考に事実関係に基づいて状況を整理するのがよいでしょう。
日頃のコミュニケーションの質は、施設全体の管理体制を映し出す鏡です。以下の点を確認してみましょう。
家族の最近の様子や日中の過ごし方について尋ねても、「特に変わりありません」「普通に過ごしています」といった中身のない抽象的な返答ばかりが返ってくることがあります。この場合、個別ケアが丁寧に行われていないか、適切な記録が残されていない可能性があります。
例えば車いすから立ち上がって転倒する事故が発生した際の原因について、職員Aは「車いすのブレーキを職員がかけ忘れた」と言い、職員Bは「入居者本人が自分でブレーキを外して立ち上がろうとした」と違うことを説明するケースがあります。職員間で統一された説明が得られない場合は、介護事故に関する検証や再発予防策が実施されていなかったり、施設内のコミュニケーションがうまくいってなかったりする恐れがあります。
家族の心配事や質問に対して「こちらはプロですから任せてください」「そんな細かいことまで対応できません」といった、感情的で威圧的な態度を取られる場合も注意が必要です。家族側の話を途中で遮って施設側の都合を一方的に話してくる場合も、施設側が誠実に対応してくれない可能性があるサインです。
食事やケアに関する正当な要望を伝えているにもかかわらず、「人手が足りない」「規則ですから」という一言で片付けられ、話し合いの場さえ設けてもらえない状況です。家族側からの要望を叶えることが困難な場合、一般的には「できない理由の具体的な説明」や「代替策の提案」をするのが原則です。しかし、それもないのであれば「施設側は、そもそも話を聞く気がない」と判断せざるを得なくなるでしょう。
医療や介護サービスが安全かつ尊厳を持って提供されているか、日頃の介護の質をチェックします。
入居者の転倒や発熱などについて、家族への報告が遅れるときは要注意です。特に、連絡が数日後であったり、面会時に初めて事態が発覚したりするケースは、安全管理の体制や職員の意識に重大な課題がある可能性があります。
処方されている薬の服用状況、日々の食事量、排泄の頻度など、生活の基盤となる基本情報の記録が不十分で、質問しても正しく答えられない場合です。
「ベッドからの転落防止策をお願いしたのに実行されていない」「失禁しても着替えさせてくれていない」など、対応をお願いしたのに改善されていない状態です。
「どうせ認知症だからわからない」などと、本人の意思を確認せず機械的に介護をこなしたり、プライバシーに配慮しなかったりするような言動が見られる場合です。
衛生環境や設備の維持管理や職員の労務管理が適切になされているかは、入居者の生活環境を左右します。
面会時にいつも衣服が汚れている、口腔ケアがされておらず口臭がひどい、居室の床や水回りが汚れたままで悪臭が漂っているなど、基本的な衛生的ケアが疎かになっているケースです。
トラブル時の窓口や、本人の支援を統括するキーパーソンが不明瞭で、何か問題が起きた際に「誰が責任を持って対応するのか」がうやむやな状態です。
申し送りが不十分なために伝達事項が伝わっておらず、同じことを何度も説明させられたり、サービスの質にバラつきが生じたりしている状態です。
ミスやトラブルが起きた際に「申し訳ありません」と謝罪の言葉を口にするだけで、なぜそれが起きたのかの原因分析や、具体的な再発防止策が一切提示されないケースです。
チェック項目がごく一部で、かつ一時的なミスであり施設側がすぐに反省と対策を提示したなら「様子を見る」。慢性的なコミュニケーション不足やケアの怠慢が見られるなら「改善を求める」。そして、虐待や隠蔽が疑われる場合は「すぐ相談する」へと分類し、適切なアクションを起こしましょう。

施設に対して不満や改善点を伝える際は、冷静に客観的な内容に基づいて話すことが重要です。ただ感情的に抗議するだけでは、クレーマー扱いされたり関係が悪化したりするリスクがあるからです。事前に十分な準備を整えましょう。
まずは、本人からどのように感じているかを落ち着いて聞き取ります。また、あざの位置、皮膚の乾燥、衣服の汚れ具合などを可能な限り写真や数値(体重の推移など)で視覚的・客観的に把握しておきます。
「いつも対応が遅い」ではなく、「○月○日の面会時、居室のコールを押してから職員が来るまでに○分かかった」「○月○日に○○さんに尋ねたところ、○○という説明があった」といった形で、日時や具体的な会話内容を時系列でメモに残します。
入所時に交わした各種書類を見直し、現在提供されているサービスが契約内容やケアプランに沿っているかを確認します。施設側が果たすべき義務を理解しておくことで、交渉の確かな論拠になります。また、各種計画書については日付がしっかり更新されているかどうかも確認しましょう。
「あの職員はうちの家族を嫌っているからわざと放置している」というのはあなたの主観(推測・感情)です。施設側に伝えるべきなのは、例えば「おむつの交換が予定時間より○時間遅れた」といった客観的な事実です。主観的な表現ではなく、客観的事実だけに絞ることが、現状の問題点を的確に伝えるポイントになります。

感情論で相手を非難するだけでは、施設側との関係性を悪化させてしまいます。「入居している家族を共に支える対等なパートナー」として、改善方法を一緒に考えていくことが重要です。そこで、建設的な話し合いを進めるためのポイントを4つのステップに整理してご紹介します。
問題を発見した際、忙しく立ち働く現場の介護職員にその場でまくし立てるのは避けましょう。相手も防衛的になり、正確な対応が難しくなります。
まずは「生活相談員」や施設の「ケアマネジャー」に連絡し、「相談したい事項があるため、時間を取ってほしい」とアプローチします。解決が難しい場合や、極めて重大な案件のときには「苦情受付担当者」や「施設長(管理者)」に面談を申し込みます。
参考:厚生労働省「社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針について 第2項」
面談の場では、冷静な態度を貫きます。怒りをぶつけるのではなく、「非常に心配している」というニュアンスを軸に、準備した記録を提示します。
準備した時系列のメモを提示しながら、「○月○日にこのようなことがありました。私としては、本人の健康維持のためにとても不安を感じています」と、事実ベースで話を切り出します。
「○○さんが手を抜いているのではないか」という個人的な非難は避けましょう。「施設全体としての管理体制や業務手順書、情報共有の仕組みに抜けがあるのではないか」という「仕組みの問題」として扱うことで、施設側も対策を立てやすくなります。
不満を並べるだけでは、「どうしてほしいのか」が施設に伝わりません。求めるゴールを具体的に提示します。
「今回のトラブルがなぜ起きたのか原因を特定してほしいこと」、そして「今後同じことが起きないように、職員間でどのように周知徹底するのか」を明確に示してもらうよう求めます。
要望が複数ある場合、一度に要求すると現場が混乱し、どれも中途半端になりがちです。「まずは最も重要なお薬の確認について改善してほしい」といったように、優先順位をつけて1つずつ約束を取り付けます。
「前向きに善処します」という言葉だけで終わらせてはいけません。具体的なスケジュールと評価方法を共有します。
話し合いが終わったら、「本日の面談で合意した内容」をメモやメールにして施設側に送付し、お互いの認識にズレがないかを確認します。これが将来的な証拠としても役立ちます。
「今回の改善策について、2週間後の○月○日に進捗状況を教えていただけますでしょうか」と、具体的な確認日をあらかじめ決めておきます。

施設との関係性を保ちつつ、家族側の要望をしっかりと伝えるためのメール・電話の文例です。
「いつも父が大変お世話になり、心より感謝申し上げます。先日、本人が微熱を出した件ですが、少し後になってから知る形となり、仕事の調整も含め少し慌ててしまいました。今後は、本人の体調に変化があった際、当日中にご一報をいただくことはできますでしょうか。些細なことでも連絡いただいて構わないので、よろしくお願いします。」
「いつも母を温かく見守っていただき、ありがとうございます。面会時に母の手首に少し大きめのあざを見つけ、心配しております。本人に尋ねても状況がよく分からないようでしたので、施設内での介護の際に何かあったのか、状況を一度確認していただき、教えていただくことは可能でしょうか。」
「いつもお世話になっております。一つお願いがあり、ご連絡いたしました。最近、面会時に本人の爪がかなり伸びていたり、衣服に汚れがついたままになっていたりし、本人の衛生面や健康状態を心配しております。お忙しい中大変恐縮ですが、毎日の身だしなみのチェックや衣類が汚れた際の交換について、今一度徹底していただけますと幸いです。」
「お世話になっております。入居中の父の今後のケア体制や、最近重なったトラブルの改善策につきまして、一度、施設全体の取り組み方針をお伺いしたいと考えております。つきましては、施設長様と生活相談員様を交えて、30分ほどお話しできるお時間をいただけないでしょうか。来週以降でご都合の良い日時をご提示いただけますと幸いです。」

こちらの要望を伝えた後、施設側がどのような対応を取るかで、その施設が信頼に値するかどうかが見極められます。
うやむやにせず、関係する職員にヒアリングを行って事実関係を確認し、「○日の○時頃、このようなミスが起きていたことが分かりました」と透明性をもって報告してくれるかどうかです。
「すみませんでした」の一言で済ませるのではなく、「今後はシフトの引き継ぎ時に必ずチェックシートを用いることで、記入漏れを防ぎます」といった具体的な再発防止策の案を示しているかを確認します。
担当者だけでなく、夜間帯や非常勤の職員にまで情報が適切に共有され、同じミスを繰り返さないようにするための職員研修や周知が実施されているかを確認します。
事前に合意した「○週間後」という期限を守り、施設側から自主的に「現在の取り組み状況」について報告を入れてくるかどうかは、誠実さを示す最大のバロメーターです。

施設側に改善を求める際、不適切な対応が起こる背景を理解しておくことで、どの部分にメスを入れれば解決するのかを提案しやすくなります。
介護業界全体の課題として、少ない人数で多くの入居者に対応しなければならず、職員の精神的・肉体的なゆとりが失われているケースです。これにより、悪気はなくても業務が雑になり、対応の遅れに繋がります。
異なる時間帯で動く職員同士の申し送りルールが定まっていないため、「家族からの伝達事項」が伝わらずに抜け落ちてしまうトラブルです。
施設と家族の間に信頼関係を築くための定期的な面談や報告の機会が少なく、お互いに「何を考えているのかわからない」という疑心暗鬼が生じやすい環境です。
リーダーである施設長に指導力がなかったり、運営法人が利益ばかりを優先して職員の研修やサポート体制を怠っていると、現場のモラルハザードが進行しやすくなります。
人手不足や経営難といった業界の事情があるにせよ、各種法令の違反や尊厳を傷つける不適切な対応が正当化されるわけではありません。改善すべき点は厳密に対処を求める必要があります。

施設に働きかけても一向に改善されない、または対話を拒否されるような場合には、外部の公的な第三者機関を頼りましょう。
現場の担当レベルで話が進まないときは、重要事項説明書に記載されている運営法人の「苦情受付窓口」や、本社のコンプライアンス部門に直接、書面を提出することが有効です。
介護施設の種類にもよりますが、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居している場合は、外部法人の職員が担当ケアマネジャーになっている場合があります。その場合は本人の生活課題を第一に考える立場から、サービス提供に関する課題解決に向けて協力してくれる場合があります。ただし、あくまで本人の生活上の困りごとに関する対応が中心ですので、苦情解決とは趣旨が異なる点に注意しましょう。
地域の高齢者の総合相談窓口となっている機関であり、介護施設におけるさまざまな不満や悩みの相談を受け付け、必要な助言や関係機関への橋渡しを行ってくれます。
各自治体の介護保険担当窓口は、介護保険を運用する保険者であるとともに、第一次的な窓口として施事業者に対する調査・指導・助言を行う役割を担っています。申し立てを行うことで、役所から施設へ調査や指導が入ることがあります。
国保連は、主に介護報酬の請求や支払いに関する業務を行っている公的機関です。しかし、それ以外にも制度上の苦情処理機関としても位置づけられています。受け付けた苦情に関し、対象となる事業者などについて調査・指導・助言を行っています。ここに苦情を申し立てることは極めて強力なアプローチになります。
明らかな身体被害や不当な契約解除、返金トラブルなどが生じた場合は、法律の専門家である弁護士や、法テラスの無料相談窓口を活用することをお勧めします。

もし身体的暴力・精神的威圧・介護放棄・身体拘束、その他本人の命に関わる虐待行為が疑われる場合は緊急事態です。悠長に対話をするのではなく、早急に専門機関へ相談し、入居者本人の安全確保を最優先にすべきです。
各市区町村には、「高齢者虐待防止法」に基づく通報窓口が設置されています。ここに連絡することで、必要に応じて自治体が立ち入り調査や保護の手続き等を実施します。
怪我が絶えない・部屋に隔離されているなど、本人の健康状態や心が著しく蝕まれている場合は、一刻も早く一時帰宅させるか、別の安全な場所へ移動させる「緊急避難」の決断を下すことが求められます。
「確固たる証拠がないから通報できない」と迷う必要はありません。「虐待が疑われる状況がある」という推測の段階であっても、調査義務は行政にあります。不安を覚えた段階で、ためらわずに通報を行ってください。

対話を繰り返し、行政の窓口を頼ってもなお施設側に改善の意志が見られない場合、最期までその施設に預け続けるメリットはありません。転居を視野に入れましょう。
苦情を伝えたことで本人が疎まれたり冷遇されたりする、施設長が言い訳ばかりを繰り返して全く当事者意識を持たないといった場合は、施設側との信頼関係の構築が難しいでしょう。契約者側からの契約解除要件にも合致するようであれば、他施設への転居が現実的になります。
環境が変わることは高齢者にとって一時的な混乱や認知機能低下などの負担(リロケーション・ダメージ)をもたらすリスクがあります。しかし、安全で尊厳のある温かいケア環境に移ることは、本人の穏やかな余生を確保するために大きなメリットとなります。
転居の準備にあたっては、本人の気持ちを優しく汲み取ります。「もっと温かいご飯があるところへ行こうか」「もっとお庭が広いところを探してみるね」など、前向きな形で本人の希望に配慮した選択を支援します。
転居先探しは、今の施設に大々的に伝える必要はありません。市区町村の担当窓口や地域包括支援センターなどの公的機関や民間の紹介会社に相談して転居先を探しましょう。外部の機関に相談することで、転居先が確定するまで余計な摩擦を避けることができます。

次の施設選びでは、これまでの教訓を活かし、同じ失敗を繰り返さないための選定基準を持ちましょう。
施設を訪ねる際は、パンフレットの説明だけでなく、実際に働く職員の表情、言葉遣い、そして入居者の身だしなみや居室に活気があるかどうかを観察します。
「本人が転倒したり、体調を崩したりした際、どのような手段で、どれくらいの時間内に家族に報告していただくルールになっていますか」とあらかじめ質問し、明確な対応方法やマニュアルの有無を確認します。
「以前に家族の方から出された不満や改善要望にはどのようなものがあり、それを施設としてどう改善したか、具体的なエピソードを教えてください」と面談時に質問するのも有効です。運営姿勢の誠実さを探る手掛かりになるでしょう。
入居者に対する職員の比率(3:1などの法的な人員配置基準に対し、どれくらい手厚いか)や、ここ1年の離職率の推移、夜間帯の看護師・介護職員の配置人数を客観的な数字として開示してもらい、労働環境が安定しているかを推測します。
厚生労働省が提供している「介護保険サービス情報公表システム」、福祉サービス第三者評価の公開データ、ネットの口コミ、地域包括支援センターが把握している情報など、多角的な第三者からの評判を集めて比較することが、最適な施設選びの近道です。

介護施設の不備について声を上げたいけれど、躊躇してしまっている方に向けたよくある質問への回答です。
一般的な施設であれば、改善要求に対して真摯に取り組み、サービスの質向上に努めるため、対応が悪くなることはありません。万が一、不満を伝えた後に嫌がらせや嫌悪感を露わにするような対応が見られた場合は、今の施設での生活を続けることは本人にとってデメリットになる可能性が高いです。転居も検討しましょう。
具体的な申し入れを行ってから、回答を得るまでは「2週間程度」を目安にしましょう。それより短ければ慢性的人員不足に悩む施設側に過度なプレッシャーとなる可能性がありますし、それより長ければ後回しにされて最終的に忘れられてしまうかもしれません。申し入れの際に期日に関しても明示して共通認識しておくことが重要です。合意を得た期間を過ぎても何の連絡もなく状況が変わらない場合は、改善の意思がないとみなして次の手を打ちましょう。
高齢者は住み慣れた場所を離れるのを嫌がる傾向にあります。「施設の不平不満」を理由にするのではなく、「建物のメンテナンスがあるから」「こちらのほうがあなたにとって良いリハビリができるから」など、本人にストレスを与えない前向きな理由を用意して、安心感を与える働きかけを行いましょう。

介護施設に対する違和感は、家族親を深く思いやり、人として尊厳ある日々を過ごしてほしいと願う家族にとって、ごく当然の感覚です。「他人任せにして、親家族に可哀想な思いをさせているのではないか」と自分を責める必要はまったくありません。
大切なのは、あなたの感じたモヤモヤをスルーせず、具体的な事実としてノートに記録することから始めることです。そして、冷静な大人の姿勢で施設と建設的な対話を進め、必要なら第三者の力も借りながら、家族としての安心と、大切な方の安全な暮らしを守り抜くための一歩を踏み出していきましょう。
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