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腰痛を改善する食べ物とは|バランスの良い食事で腰痛を予防しよう

2024年9月25日
増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
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腰痛と食べ物の関係とは

肥満は腰痛を引き起こす大きな要因の一つです。体重が増えると、上半身の重みが腰に過度な負担をかけ、腰痛が悪化するリスクが高まります。特にお腹が出ていると、重心が前方に偏り、体のバランスを取るために無意識に腰を反らしてしまうことが多いです。これにより、自然な背骨のS字カーブが崩れ、腰椎に過度な圧力がかかりやすくなり、腰痛の症状を引き起こします。

腰痛の改善には、体重管理が非常に重要です。適切な運動だけでなく、バランスの取れた食生活も腰痛予防に大きく貢献します。肥満を解消することは、腰痛の根本的な改善に直結し、さらに健康的な体を維持するための効果的な手段です。腰痛の改善を目指すなら、体重管理を始めてみてはいかがでしょうか。太っていると腰痛に上半身の重みが集中して大きな負担になることは想像しやすいです。それだけでなく太っていると姿勢にも変化が現われてきて、腰椎に大きな負担をかけます。お腹が出ている人は重心が前方にあるため、体のバランスを取ろうとして腰を反らせてしまいます。それによって、背骨のS字カーブが失われて腰椎に負担がかかり腰痛を招きます。肥満は運動だけでなく食べ物だけでも、充分に解消できる為ため腰痛予防には有効な手段です。

食べすぎによる肥満

肥満の方はまず自分の適正体重を知ることが大切です。必要以上に食事を摂っていませんか。適切な体重までの減量、またその維持のためにまずは食事量を減らし、食事は腹8分目を目安に、規則正しく食べることが必要です。運動によって体重を減少させるよりも、食事を制限して体重を落すことを先にお勧めします。なぜなら、体重が重たいと運動に向き合うことが億劫になるからです。しっかりと運動で体重を管理して行くのは、今よりも体重が軽くなってからでも遅くはありません。体重を落とすだけでも腰椎への負担は大きく変わります。

偏った食べ物による栄養不足

偏った食生活で適切な栄養が摂れていない状態では骨や軟骨、筋肉や靱帯または神経に悪影響を及ぼします。これによって運動機能が弱くなり腰痛を招くことがあります。一番分かりやすいのは筋肉です。背骨を支える腹筋、背筋が衰えることで腰椎への負担が大きくなります。偏った食生活は当然肥満にもなりやすく、さらに悪循環を生み出します。適切に栄養が摂取できていないと、肥満だけでなく骨粗鬆症になりやすかったり、筋肉量が減ったりと運動機能に影響を及ぼすことがあります。また、ダイエット中の方も適切な栄養素は摂取しないと腰痛になりやすくなります。無理なダイエットは自分の体重を支える筋肉や骨を弱らせることになりかねません。体重減少の数字だけに囚われず、必要な筋力を維持しながらダイエットしていくために栄養の摂取は非常に大切になります。痩せているように見えても骨格を支える筋肉よりも脂肪の蓄積が多い方は膝や腰に大きな負担がかかるので注意が必要です。

腰痛改善に効果的な食べ物

では、具体的に腰痛改善のために何を摂取したらよいのでしょうか。

腰痛は骨や軟骨、筋肉や骨と骨をつなぐ繊維である靱帯、あるいは神経など様々な要素で招く病気です。具体的にどのようなものを摂取するのが推奨されているのか、摂取の注意点などを含めご紹介して行きます。

カルシウム

カルシウムは骨の健康を保つために欠かせない栄養素として広く知られていますが、現代の食生活では多くの人が推奨摂取量に達していません。特に、腰痛の改善にはカルシウムが重要な役割を果たします。カルシウム不足により骨が弱くなると、腰椎への負担が増し、腰痛が悪化するリスクが高まります。

カルシウムが不足する原因の一つに、腸での吸収が難しいという特性があります。摂取したカルシウムのすべてが体内に吸収されるわけではなく、一部は排出されてしまいます。効率よくカルシウムを摂取するためには、吸収率の高い食品を選ぶことが大切です。牛乳などの乳製品は、50%という高い吸収率を誇り、腰痛の改善に役立つ食品です。また、小魚や豆腐、納豆といった大豆製品、さらには小松菜や青梗菜といった緑黄色野菜もカルシウムを多く含むため、積極的に取り入れるべきです。

さらに、カルシウムの吸収を助ける栄養素としてビタミンDとビタミンKが挙げられます。ビタミンDは小腸でのカルシウム吸収を助け、骨への定着を促進します。サケやサンマ、うなぎ、きくらげ、干しシイタケなどがビタミンDの豊富な供給源です。ビタミンKは骨の形成を助ける役割があり、納豆やキムチ、ほうれん草、小松菜に多く含まれています。これらの栄養素をバランスよく摂取することで、腰痛の改善に向けた効果的なアプローチが可能です。

たんぱく質

たんぱく質は筋肉を作る栄養素として広く知られていますが、実は軟骨や靱帯を構成するためにも欠かせない成分です。特に高齢者になると、食事が質素になりがちで、たんぱく質の摂取量が不足しやすい傾向があります。腰痛の改善には筋肉や靱帯の強化が重要であり、適切なたんぱく質の摂取が欠かせません。

ただし、腎機能が低下している方は、たんぱく質の過剰摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、医師の指導のもとで食事を管理することが推奨されます。たんぱく質が豊富に含まれる食材としては、肉、魚、大豆製品、卵などがありますが、特に肉を選ぶ際には脂質の含有量にも注意が必要です。脂質の少ない部位を選ぶことで、健康的なたんぱく質摂取が可能です。

適切な運動とたんぱく質を意識した食事によって、筋力を向上させることが腰痛の改善に直結します。腹筋や背筋を鍛えることで背骨を支え、姿勢が安定しやすくなります。また、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果が得られ、体重管理にも役立ちます。腰痛の改善を目指すなら、たんぱく質を意識した食事と運動を取り入れてみましょう。

ビタミンB12

腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの腰痛を引き起こす疾患では、神経へのダメージが発生しやすく、その修復を助ける栄養素としてビタミンB12の摂取が推奨されています。ビタミンB12は神経の健康維持に欠かせない成分で、腰痛の改善にも重要な役割を果たします。

ビタミンB12が多く含まれる食品として、あさりやしじみといった貝類、イワシなどの魚類、さらに牛乳やチーズなどの乳製品が挙げられます。推奨される1日の摂取量は2.4マイクログラムですが、しじみ100gには68.4マイクログラム、あさり100gには52.4マイクログラムのビタミンB12が含まれているため、これらの食材を摂取することで効率よく補給することが可能です。

しかし、魚や貝類を普段の食事に取り入れていない方は、ビタミンB12の摂取が不足しやすい傾向があります。特に菜食主義を実践している方は注意が必要です。ビタミンB12が不足すると、貧血や神経障害、手足のしびれ、さらには記憶障害やうつ病などの精神的な問題を引き起こすことがあります。

腰痛の改善を目指すためにも、日常的にビタミンB12を意識して摂取することが大切です。腰痛の改善に効果的な栄養素を意識したバランスの取れた食事を心がけ、神経の健康を維持することで、腰痛の予防・改善に繋げましょう。

まとめ~バランスの良い食事で腰痛悪化を予防しよう

腰痛の大きな原因の一つは、自分の体重を支えることによる負担です。腰は体の重みを直接受ける部分であり、特に体重が重いと、腰椎やその周辺の筋肉、靱帯に大きな負荷がかかります。したがって、適切な体重を維持することが、腰痛の予防と改善に非常に効果的です。

特に肥満の方は、腰痛リスクが高くなります。体重が増えることで、重心が前方に傾き、姿勢が崩れやすくなります。これにより、腰椎に過剰な圧力がかかり、腰痛が悪化するケースも少なくありません。腰痛の改善には、まず体重管理を行い、自分の体に合った適切な体重を維持することが大切です。

では、どのようにして体重を管理し、腰痛を改善するのでしょうか?その答えは、日々の食生活にあります。特に1日3回の食事を見直すだけでも、肥満による腰痛リスクを大きく低減させることができます。食事内容をバランスよく整えることは、腰痛の予防に直結します。例えば、たんぱく質をしっかりと摂取することで、筋肉の量を増やし、腰を支える腹筋や背筋を強化できます。これにより、腰椎への負担が軽減され、姿勢が安定します。

さらに、カルシウムやビタミンB12、ビタミンDといった栄養素を意識的に摂取することで、骨や神経の健康を保ち、腰痛の改善に役立てることができます。特に、カルシウム不足は骨の強度を低下させ、腰痛を引き起こしやすくするため、日々の食事でしっかりと摂取することが必要です。また、神経の修復を促進するビタミンB12や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをバランス良く摂取することで、腰痛のリスクをさらに減らすことができます。

適切な食事と体重管理を行うことで、腰痛の予防と改善は可能です。肥満が腰痛に与える影響は大きいため、まずは自身の体重をコントロールし、バランスの取れた栄養豊富な食生活を心がけましょう。運動も併用すれば、さらに腰痛の改善が期待できます。体を支える筋肉をしっかり鍛え、健康的な体を手に入れることが、腰痛の悩みから解放される第一歩です。

著者プロフィール

増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。

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