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ヘルパーなどが定期的に訪問する|定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは?

2024年10月21日
増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
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介護お役立ち情報

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは

介護サービスにはさまざまな種類がありますが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護もよく利用されているサービスのひとつです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の概要

介護サービスの種類はいくつかに大別できますが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は地域密着型サービスの一種です。介護を必要とする方が、住み慣れた土地や家を離れることなく、介護が受けられるサービスとして人気があります。似たサービスに夜間対応型訪問看護がありますが、大きな違いは夜間に限らず利用できること。また、通報時には看護師が自宅を訪れてくれるのも、大きな特徴といえるでしょう。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の対象者は要介護1以上

各介護サービスによって、利用できる条件が定められています。定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用できるのは、要介護1以上の方です。要支援や自立の方はサービスを利用できないため、注意が必要です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス内容


サービスの種類は大きく分けて3つあり、定期巡回と随時対応、随時訪問サービスが挙げられます。定期巡回は、1日に数回の訪問介護が受けられ、随時対応や随時訪問は通報することでサービスを受けられます。

定期巡回サービスとは

介護を必要とされる方や、支援する方のライフスタイルに合わせて利用できるサービスです。排泄介助や食事介助、服薬管理などさまざまなサポートを受けられます。1日に何度も利用できるのが、サービスの大きな特徴です。訪問回数に上限が定められていないため、必要に応じて何度でもサービスが受けられるのです。5分程度の短時間介助から、1時間以上のサービスまで対応してもらえるのもメリットといえるでしょう。たとえば、排泄介助だけサポートしてほしい、10分程度着替えの介助を手伝ってほしい、といったシーンで活用できます。そのときどきの状況に合わせ、ピンポイントで利用できるのは魅力です。

通報による対応(随時対応サービス・随時訪問サービス)

通報システムを採用したサービスです。このサービスでは、事業者から配布されたケアコール端末を使用します。端末にはボタンがあり、介護が必要なときや、困ったときに押せばスタッフが自宅を訪問してくれるのです。病院の入院病棟に設置されてある、ナースコールをイメージするとわかりやすいかもしれません。ボタンを押すだけで通報でき、そのときどきに合わせた適切な対処をしてもらえます。たとえば、オペレーターが電話で具体的な対処法を指導してくれたり、スタッフが駆けつけてくれたりします。これなら、介護を必要とする1人暮らしの方も、安心して日々の生活を送れるでしょう。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの利用料金

充実したサービスを受けられる、定期巡回・随時対応型訪問介護看護ですが、気になるのは費用です。利用料は月額ですが、利用するサービスの種類、事業所などで具体的な料金は変化します。

実際の利用料の目安

利用者の要介護度によっても、利用料は変わります。たとえば、訪問看護サービスなしで、要介護1の方が利用するケースでは5,700円前後、要介護5で26,000円前後が目安です。訪問看護サービスありで、要介護1の方が利用するケースでは、8,300円前後、要介護5で29,000円前後が目安です。なお、月の途中からサービスを利用し始めたときは、日割り計算で料金が算出されます。ここでご紹介したのはあくまで目安であり、実際には地域や負担割合などによって必要となる料金は変化します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のメリット

24時間365日対応してもらえるのは大きなメリットです。また、柔軟なサービスを受けられ、定額制のため毎月の費用管理がしやすいのもメリットといえるでしょう。

24時間365日対応してもらえる

定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、事業者から渡されるケアコール端末を使い、いつでも通報が可能です。体調が悪くなったとき、何かしら困ったことが起きたときもすぐ通報でき、適切な対応をしてもらえます。家族と同居しているケースでも、仕事や買い物などで外出しているときに、トラブルが起きることも考えられます。そのようなときでも、通報すれば時間に関係なくサービスを受けられるのは大きな魅力です。

柔軟なサービスを受けられる

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の特徴として、介護職員だけでなく看護師の訪問が可能なことも挙げられます。専門的な医療知識を有する看護師が訪問してくれるため、要介護者はもちろん支援者も安心を得られます。訪問介護サービスだけでなく訪問看護サービスも受けられるため、要介護者の状態が悪化しても安心です。介護と看護を融合させた、ハイブリッドなサポートが受けられます。

定額制なので毎月の費用が管理しやすい

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスは、月額制の料金システムを採用しています。月々決まった金額を支払う形式のため、費用を管理しやすいメリットが得られるのです。費用管理が容易なだけでなく、コストパフォーマンスにも優れています。定期巡回では、制限なく1日に何度でもサポートを依頼でき、しかも料金は変動しません。頻繁にサポートを依頼したい方にとって、魅力的な料金システムといえるでしょう。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護はこんな方におすすめ

以下のような方に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護はおすすめです。

1人暮らしされている高齢の方

家族と同居しておらず1人で暮らしている場合、何かあったときに助けてくれる人が近くにいません。ケアコール端末でいつでも通報でき、必要に応じてスタッフが駆けつけてくれるサービスなら安心です。

頻繁にサポートを依頼したい方

定期巡回においては1日の利用上限が定められておらず、何度でも利用できます。頻繁にサポートを依頼しても料金は月額制のため変わりません。コスパのよい介護サービスを求めている方にもおすすめです。

看護師のサポートも受けたい方

こちらのサービスでは、介護職員のみならず、看護師の訪問サポートも受けられます。体調が悪いとき、自宅内でケガをしてしまったときなど、医療知識に優れる看護師が対応してくれるのは魅力的です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護が向いているかどうかは、介護を必要とされる方の状況によって異なります。費用面も含め、じっくり検討して利用の可否を判断しましょう。

著者プロフィール

増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。

監修者プロフィール

竹花 渉(介護福祉士)
竹花 渉(介護福祉士)
富士宮市生まれ。大学を卒業後、地元静岡県に戻り介護事業会社に就職。グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス等の現場経験を経て介護福祉士を取得。富士市内のデイサービスの管理者としても従事してきた。現場業務のみならず売上管理や様々なケースのお客様対応、スタッフとのコミュニケーションなどを経験し、施設運営のノウハウを身につけてきた。

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