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介護サービスの「居宅サービス」とは、自宅に住む方を対象とした介護です。自宅で介護を受ける場合や、自宅から施設へ移動して介護を受ける場合があります。介護保険サービスには、「居宅サービス」と「施設介護サービス」があり、前者は自宅で受ける介護、後者は施設で受ける介護です。さらに、施設介護サービスは「通所サービス」と「短期入所サービス」に分かれています。
居宅サービスのメリットは、住み慣れた自宅で介護を受けられる点です。利用者の大半は、要支援1~2の方や、要介護2以下の方が7割以上を占めています。介護を受ける方が自分で生活の一部を行えるなら、居宅サービスが適しています。また、1人暮らしで介助が必要な方や、家族と住んでいるが介護の対応が難しい場合にも、居宅サービスの利用をおすすめします。
居宅サービスの種類は、大きく分けて3種類あります。主に利用するのは自宅に訪問してもらう「訪問サービス」です。そのほかにも、施設に通ってサービスを受ける「通所サービス」や、短期間のみ施設に入所する「ショートステイ」もあります。それぞれの利用には、ケアマネージャーの活用が必要です。さらに必要に応じて、福祉用具の貸与や住宅改修も受けることができます。介護を受ける予定の方は、大まかにどのようなサービスなのか把握しておいてください。
自宅で受けられる居宅サービスには、いくつか種類があります。訪問介護・訪問入浴介護・訪問介護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導の5種類です。それぞれどのようなサービス内容なのか、具体的に解説していきます。
訪問介護は、ホームヘルパーが自宅に来て、身体介護や生活援助サービスをしてくれます。身体介護は、入浴のお手伝いや、食事の介助などです。入浴前後の衣類の脱ぎ着や、入浴できないときの清拭もしてもらえます。自力での移動が困難な場合に、体位変換や歩行介助も可能です。排せつのお手伝いもできるため、自宅で生活を続けたい方に向いています。生活援助サービスは、掃除・洗濯・食事の準備などです。ホームヘルパーは医療行為ができませんが、爪切りや血圧測定などのお手伝いができます。
訪問入浴介護は、自宅で入浴が受けられるサービスのことです。自宅の浴室は使わず、スタッフが専用の浴槽を持ち込みます。専用の浴槽を持ち込むことで、リビングなど広い場所で入浴介護ができます。入浴介護が利用できるのは、自力での入浴が難しい方です。家族のサポートで入浴させるのが難しいときも、訪問入浴サービスが便利でしょう。訪問入浴は、看護師1名を含む複数のスタッフで対応します。看護師がついていれば、体調を見ながら入浴することができて安心です。
訪問看護は、自宅での医療行為が必要な方向けのサービスです。点滴の交換や注射は医療行為にあたるため、看護師の対応が必要となります。また、看護師は食事・入浴・トイレなど生活面での介助にも関わります。床ずれ予防や、在宅酸素の管理なども、訪問看護で対応が可能です。
訪問リハビリテーションは、PTやOTなどのリハビリ専門職が自宅に訪問するサービスです。身体機能の回復・低下を防ぐリハビリや、日常生活の指導や助言が受けられます。生活の質向上を目的としており、自宅で生きがいをもちながら生活していく為の指導をしていきます。
居宅療養管理指導は、専門職による指導サービスのことです。医師・歯科医師・管理栄養士・薬剤師・歯科衛生士・看護師などが自宅を訪れます。通院が困難な方向けのサービスで、1人暮らしで管理ができない場合や、家族の管理が行き届かない場合に対応できます。
施設に通って受けるサービスは、デイサービスとデイケアの2種類です。どちらも施設に通いますがサービス内容が異なるため、それぞれの特徴と違いを理解しておきましょう。
デイサービスは、施設に通い身体介護からレクリエーション、機能訓練まで幅広い介助を受けるサービスです。自分で対応できない方に対し、排せつや入浴介助などの対応をします。訪問介護や訪問入浴とも似ていますが、社会孤立感解消を目的の一つとしています。多くの人と一緒に食事をとり、レクリエーションで交流できるのが特徴です。機能訓練や健康チェックも可能で、身体の維持や向上をさせながら、自宅で自立した生活を目指すことができます。同じ高齢者や専門職と交わることで、精神的負担軽減も期待できるでしょう。
デイケアは、デイサービスと比べて医療やリハビリに特化しています。医師・看護師・リハビリ専門職が対応することで、身体機能向上を目指します。自宅での過ごし方のアドバイスや、福祉用具の使い方の提案も可能です。
施設で受けられるサービスの中には、短期間入所するサービスがあります。短い間施設に入所するサービスは、短期入所サービスまたはショートステイと呼ばれています。ショートステイは、数日程度と短期間の利用から、最大で30日まで利用可能です。1人暮らしの方が自宅にこもりきりにならないよう、短期間入所して身体や精神的ケアができます。または病状が悪くなった際に、一時的に入所することも可能です。家庭で家族が介護する場合でも、家族の負担軽減や出張などで介護できないときに利用できます。介護する家族が疲れてしまわないよう、短期的に入所してもらうのもおすすめです。
自宅で生活する方向けの介護サービスは、他にも多数種類があります。福祉用具貸与・住宅改修・ケアマネージャーです。家族に介護を必要とする人がいる方は、どんなサービスが受けられるか知っておいてください。
福祉用具貸与は、自宅で過ごす介護が必要な人に対し福祉用具をレンタルするサービスです。借りることができるのは、車いす・歩行器・介護ベッドなどです。介護認定により借りられる器具や月々の限度額が決まっているため、ケアマネージャーと相談しながら借りましょう。
住宅改修は、自宅で過ごす介護が必要な方に対するリフォームサービスです。利用できるのは、手すりの取り付け、便器の取り換え、バリアフリー改修などがあります。住宅1棟につき合計20万円までの限度額があります。
居宅介護支援事業は、ケアマネージャーによるケアプラン作成サービスのことです。介護が必要とする人に対し、必要なサービスが受けられるよう、ケアプランの作成や管理をしてくれます。ケアマネージャーは相談役にもなるため、長く付き合える人を選びましょう。
介護保険サービスの一つである居宅サービスは、自宅で介護を必要とする方を対象にしています。居宅サービスは、介護を受ける方が住み慣れた自宅で安心して生活できるように支援するものです。家族が介護をしている場合でも利用できるため、ぜひサービス内容を確認してみてください。
ケアマネージャーは、あなたやご家族の状況を理解し、最適なサービスを提案してくれます。安心して生活を続けるために、どのサービスが使えるか迷ったときは、ケアマネージャーに相談することをおすすめします。
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