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「高血圧」という言葉をよく耳にしますが、いったい「高血圧」とはどれくらいのことをいうのでしょうか。
高血圧には診断基準があり、日本高血圧学会が示したガイドラインによると、140/90(最高血圧/最低血圧)を超えると高血圧と診断されます(最高血圧、最低血圧どちらかがこの数値を超えるだけでも高血圧の診断対象となります)。130~139ミリ/80~89ミリは「高値血圧」、最高血圧が120ミリを超えると「正常高値血圧」と呼ばれ、すぐに治療しなくてはいけない状況ではないものの、「高血圧予備群」として降圧指導の対象になります。
血圧を上げる原因で大きなものは「塩分」です。「高血圧には減塩」ということはもはや常識でもあり、調味料をつけすぎないよう多くの方が意識しています。それにも関わらず、高血圧の方が絶えないのは食べている物に問題があるのかもしれません。
血圧が上がりやすいメニュー
・ラーメン
・パスタ
・うどん
・ピザ
・お寿司
・パン
・揚げ物
など
高血圧の方はこれらをまったく食べてはいけないのか、というとそうではありません。食べ方を気をつけていく必要があります。
前述した通り、塩分を摂取すると血圧が上がります。これは、塩分の摂取量が増えることで水分量が増え、血液量が増えるというメカニズムです。通常、塩分と水分は腎臓から排泄されますが、腎臓に負担がかかり十分に機能しないと排泄が追い付かなくなり、血液量が増えてしまい血圧が上がってしまいます。まずは塩分の摂取量を減らすことが重要ですが、そのためにどのような食材が適しているかをご紹介します。
・青魚(鯖、いわし、サンマなど)
・アボカド
・納豆
・ほうれん草
・大豆
・バナナ
・ごぼう
・オクラ
・モロヘイヤ
・なめこ
など
一般的に血圧を下げるのに良いとされる食材ですが、これらが含まれているからといって必ずしも問題なく食べられるわけではありません。
それでは、具体的にどんな食事をしたら血圧を改善させていけるのかを解説していきます。
繰り返しとなりますが、高血圧を改善するには「減塩」です。そもそも塩分は1日にどのくらい摂取していいのかというと、推奨されているのは5~6gです。しかし、日本人の平均摂取量は約10g、その差は約2倍です。世界的にも和食はヘルシーで体に良いイメージがありますが、実は塩分が多いというデメリットもあります。
塩分を控えて、食べない方がいいものと、食べた方がいいものが理解できても、それをどう食べるかというのが大切です。具体的な調理方法とレシピの一例をご紹介いたします。
メイン:長いもチーズの納豆春巻き
①納豆はパックから出して付属のタレを入れて混ぜます。
②長芋の皮を剥いて5mm程度の細切りにします。
③春巻きの皮の裏表を確認し、ひし形になるように置きます。
④皮の上に大葉、納豆、長芋、チーズを乗せ、具を包み片栗粉で止めます。
⑤フライパンにサラダ油を深さ1cm入れて熱し、包んだ春巻きを揚げ焼きにしていきます。
⑥両面がきつね色になったらバットに入れて油をきって完成です。
※注意
・納豆の付属のタレの塩分を確認しましょう。
・揚げ油は酸化していない新しいものを使いましょう。
・春巻きはそのまま食べるか、減塩のポン酢を使うのがおススメです。
副菜:茄子とツナの和え物
①茄子を細切りにして、水に浸しあく抜きします。
②茄子の水気を切ったら耐熱皿に入れて、塩、こしょう、砂糖を少々、鶏ガラスープの素を小さじ1、ごま油を大さじ1、ツナ1缶を加え混ぜ合わせます。
③ラップをして600Wで5分加熱します。
④器に盛り、大葉とごまをトッピングして完成です。
※注意
・鶏がらスープの素は塩分控えめのものを使いましょう。
・ツナ缶は食塩不使用のものを使いましょう。
汁物:三つ葉とエリンギのコンソメスープ
①鍋に水を2カップ入れ、コンソメ顆粒を4g入れて沸騰させます。
②一口大にスライスしたエリンギを40g加えて1分程度煮込みます。
③器に盛りつけて粗く刻んだ三つ葉を添えて完成です。
※注意
・コンソメは固形ではなく、顆粒タイプを用意しておきましょう。入れすぎることがなくなります。
・コンソメは塩分控えめ(40%カット)のものを使いましょう。
主食
高血圧予防には糖質制限が有効になります。炭水化物(糖質)はごはん、パン、麺、小麦を摂らなくても意外と食材から摂っていることがあります。例えばイモ類、人参、れんこん、トウモロコシなど。
そのため、こういった食材は極力控えていくことをお勧めします。白いごはんやパン、麺などの代わりにおススメできるのがオートミールや玄米などの穀物です。グラノーラなどは物によって糖質が多く含まれているものがあるので注意が必要です。
日本人は一日の塩分摂取量の平均が約10gと、推奨されている摂取量の2倍程摂取しています。単純にこれを半分にする必要があります。それでは塩分の摂取量を半分にするにはどのようなことから取り組んでいけば良いのか解説していきます。
まずは何から塩分を摂取しているのかを把握しましょう。日本人の食生活では塩分のおおよそ4割を調味料から摂取しています。調味料からの塩分摂取を減らしていくのは有効な手段です。
調味料は料理をする時も、食事中も習慣的に使うものです。習慣を変えることができれば最も効率的に塩分の摂取量を減らすことができます。習慣とは意識せずに行うことですから、無意識に摂取量を減らすことが無理なく減塩する方法となります。それでは、どのような行動を習慣化すれば良いかを紹介します。
お好み焼きや海鮮丼、ほうれん草のお浸しなど、食べる前から調味料を使っていませんか?それが、どれくらいの味の濃さなのかを知ることで調味料の使い過ぎを防ぐことができます。まず一口食べてみると思った以上に塩味を感じることができます。
当たり前のようにお好み焼きにソースを塗ったり、海鮮丼に醤油をかけたりして食べていませんか?調味料は小皿にとり、食べる前につけながら食べるだけで全体の調味料の摂取量は変わってきます。
減塩をしていても、どうしてもラーメン屋やピザなど食べたくなることはあります。そんな時は、塩味の強いメニューは小さめにして、副菜でサラダや豆腐などの塩味の少ないものを足して満腹感を得ましょう。絶対食べてはいけないというストレスも高血圧には良くないので、制限とストレスのバランスも大切にしましょう。
一般的に塩分が多く含まれるといわれるしょうゆやソース、味噌などを使いすぎなくても、シソやショウガ、ハーブなどを加えることで嗅覚からも満足感が得られるため、減塩メニューのアクセントにおススメです。
高血圧予防には食事をはじめとする生活習慣を見直すことが大切になります。ここまでは詳しく食事についてご紹介してきたので、それ以外の方法についても簡単にご紹介していきます。
運動をすることでインスリンの働きが活発になり、血圧を下げる効果があります。しかし、運動中は血圧が上昇するので過度な運動は注意が必要です。
実は、喫煙が高血圧の直接的な原因であるとは言い切れません。しかし、心筋梗塞や脳卒中の原因になることはわかっています。またメタボリックシンドロームの危険因子でもあるため、高血圧の方は禁煙した方が良いでしょう。
高血圧症の方は肥満の方が比較的多い傾向にあります。ちなみに、体重を1キロ減らすことで最高血圧、最低血圧を1ミリ下げると言われています。具体的にはBMI25未満を目指してダイエットしていくことが必要になります。また、高血圧の方が習慣的に有酸素運動をすることで最高血圧が8.3ミリ、最低血圧が5.3ミリ降圧したという結果も出ています。
アルコールを摂取することで血管が拡張し一時的に血圧が下がります。しかし、習慣的に飲み続けることで血圧が上がるという傾向があります。それでは、具体的にどれくらいなら飲酒していいのでしょうか。アルコールを1日あたり30ml以上飲むと血圧が3ミリ上がると言われています。
(アルコール30mlの目安)
・日本酒 1合
・ビール大ビン 1本
・ワイン 2杯
飲酒しているときは、一緒に水を飲むと血圧の上昇を抑えることができるので、お酒を飲むときは上記の目安量と、水を一緒に飲むことを意識しましょう。
高血圧は生活習慣の乱れから引き起こされることのある病気です。逆に高血圧の方は生活習慣を整えることで抑制することができます。まずは、1日3回摂っている食事から見直し、運動や飲酒量、喫煙なども気をつけて高血圧予防に努めましょう。
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