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「親の介護施設への入居を考えているが、グループホームと有料老人ホームのどちらにしようか」という方がいるかもしれません。存在は知っていても、明確な違いまで説明できる方は少ないでしょう。ただ、その明確な違いを知ることで、親の施設介護も大きく変わってきます。親が介護施設に入居してから、「こんなはずではなかった」と後悔することも少なくなるはずです。
本記事では、グループホームと有料老人ホームについて、特徴やサービス、費用、メリット・デメリットの点から比較しています。
グループホームは認知症の方が主な入居対象ですが、有料老人ホームは3種類あり、種類ごとに入居対象が異なるという明確な違いがあります。 それでは、違いについてみていきましょう。
グループホームは、65歳以上の認知症の方が入居し、自立した日常生活をする施設です。一つの共同生活住居(ユニット)の利用者は5〜9人と少人数で、家庭的な雰囲気のもとで暮らせるため、認知症の症状の緩和が期待できます。
また、住み慣れた地域の施設に入居し地域住民との交流もあるため、自宅での生活の延長線上にグループホームがあるといえるでしょう。認知症ケアのほかには、食事・入浴などの介助や、機能訓練も受けられます。
有料老人ホームには、介護付き・住宅型・健康型の3種類があり、それぞれが特徴のあるサービスを提供しています。ここでは、3種類の有料老人ホームについて詳しく解説します。
介護付き有料老人ホームは、名称のとおり介護サービスがついた高齢者の施設です。施設が提供する特定施設入居者生活介護という介護サービスを受けながら生活していきます。特定施設入居者生活介護の提供方法は、以下のように2種類があります。
介護付き有料老人ホームには介護が必要ない自立している方も入居できるため、介護が必要になったときに介護サービスを受けるという将来を見越した施設入居が可能です。
住宅型有料老人ホームは、生活支援サービスがついた高齢者の施設です。イベント・レクリエーションが充実していて、施設内でも充実した日常生活を過ごせます。介護が必要な場合は、入居者が外部の介護サービスを利用できるため、自分の好みにあわせて自由なサービスの組みあわせが可能です。また、入居前から介護サービスを利用している方は、入居後も介護サービスを変更せずに継続できるというメリットがあります。
健康型有料老人ホームは、健康な高齢者が入居する施設です。イベント・レクリエーションのほかに、シアターやフィットネスジムなどの設備が充実しています。充実した老後生活を送りたい方にピッタリな施設です。ただ、介護が必要になった場合は、退去しなければなりません。終の棲家ではなく老後生活を楽しむための施設といえるでしょう。
グループホーム | 有料老人ホーム | |
運営 | 限定されていないが、運営母体の半数が民間企業 | 限定はされていないが、運営母体のほとんどが民間企業 |
雰囲気 | 家庭的 | 種類ごとに雰囲気が異なる |
入居条件 | 以下の全てを満たすこと ・認知症の診断書が出ている ・65歳以上・支援2および要介護1~5 ・施設と同じ市区町村の住民票がある | ・介護付き:65歳以上自立~介護 ・住宅型:60歳以上自立~介護 ・健康型:60歳以上・自立 |
介護度 | 重すぎる場合には入居継続困難 | 自立から介護度が高い方まで対応 |
退去要件 | 介護度・医療依存度が高くなる | ・認知症の症状が悪化する ・健康型は介護が必要になる |
待機状況 | 入居待ちが多い | 入居しやすい |
それでは、項目ごとに一つひとつみていきましょう。
グループホームは、社会福祉法人やNPOなどのさまざまな法人が運営していますが、民間企業が全体の約半数を占めています。
有料老人ホームは、ほとんどが民間企業によって運営されています。多くの民間企業が運営しているきっかけは、介護保険制度の創設によって民間参入が認められたことです。損害保険会社や建築会社、警備会社など、一度は耳にしたことのある企業も運営しています。
グループホームは、少人数の入居者が生活しているため家庭的な雰囲気です。一つのユニット(共同生活住居)に5〜9人の入居者が生活していて、自宅で過ごしているような感覚で過ごせるため、認知症の症状緩和に効果的といわれています。
有料老人ホームは種類・施設によって雰囲気は異なります。レクリエーション・サークル活動が特徴的な有料老人ホームなら和気あいあいとした雰囲気、高級有料老人ホームならラグジュアリーな雰囲気です。
グループホームには、「認知症の診断書が出ている」という入居条件の特徴があります。認知症ケアに特化している施設であるため、認知症であるという条件を満たしていないと入居できません。ただ、認知症と診断されても、介護度が高い場合は入居を断られるケースもあります。
有料老人ホームの入居条件は、基本的には住宅型・健康型は年齢が60歳以上、介護付き有料老人ホームが65歳以上であることです。60歳以下でも入居できる施設もあるため、気になっている施設があるなら問いあわせみましょう。
グループホームは認知症なら要介護5の方も入居できます。ただ、介護度が高すぎる場合は前述のように入居を断られたり、入居後に介護度が高くなり退去したりするケースがあるようです。
有料老人ホームは、自立している方から介護度が高い方までと、幅広い介護度に対応しています。ただ、健康型のように介護に対応していないほかに、施設によっても対応できる介護度に違いがあります。
グループホームは介護度・医療依存度が高くなると退去する必要があります。
有料老人ホームは介護付きと住宅型では認知症の症状の悪化が退去要件の一つです。自立型については介護が必要になると退去しなければなりません。
なお、共通の退去要件は以下のとおりです。
グループホームは地域によっては入居待ちが多いようです。
有料老人ホームは、グループホームとは異なり市区町村を気にせずに施設を選べるため、場所さえ気にしなければ待機せずに入居ができます。
サービスの違いは下表のとおりです。
グループホーム | 有料老人ホーム | |
医療体制 | 充実していない | 介護付きは比較的充実 |
介護・看護体制 | 看護職員がいない | 介護付きは比較的充実 |
自立支援・リハビリ・認知症ケア | 充実 | 介護付きは比較的充実 |
入居者への個別対応 | 充実 | 種別・施設によって異なる |
レクリエーション | 充実(認知症ケアの一環として) | 健康型と住宅型は充実 |
生活の自由度 | 低い | 健康型と住宅型は高い |
それでは、項目ごとに一つひとつみていきましょう。
グループホームは医療体制が充実しておらず、医療依存度が高くなると退去を求められます。
施設によっても異なりますが、介護付き有料老人ホームでは、たん吸引やカテーテル・腸ろう管理などの医療体制が充実している施設があります。健康型は施設では対応していませんが、必要に応じて外部の医療サービスを利用します。
グループホームでは要介護者3人に対して介護職員が1人以上配置されています。看護体制については、看護職員の配置が運営条件になっていません。
有料老人ホームは、介護付きで要介護者3人に対して介護職員が1人以上配置されている点は、グループホームと同様です。看護体制については日中に看護職員が配置され、施設によっては24時間体制で看護職員が配置されています。健康型は施設では対応していませんが、必要に応じて介護や看護の外部サービスを利用できます。
グループホームは認知症の方が自立した日常生活を過ごせる施設であるため、自立支援と認知症ケアは充実しています。リハビリについては、作業療法士や理学療法士などのリハビリ専門職がいないため、身体機能ではなく認知症ケアの一環である生活面でのリハビリが中心です。
有料老人ホームは3種類とも自立支援を行っています。健康型の充実しているレクリエーションやサークル活動も、自立支援の一環といえるでしょう。リハビリについては介護付きで行われています。
グループホームは一つのユニットが5〜9人と少人数であるため、一人ひとりの入居者への個別対応が可能です。
一方、施設によっても異なりますが、入居者への個別対応を売りにした有料老人ホームもあります。
グループホームは認知症ケアの一つとしてレクリエーションをとらえ力を入れています。認知症の症状緩和や生きがいを得ることなどの様々な目的があります。
有料老人ホームは住宅型と健康型でレクリエーションが充実していることが特徴です。特に健康型は自立した方が入居しているので、レクリエーションだけではなくサークル活動も盛んです。
グループホームは生活の自由度が高いとはいえないでしょう。食事のメニューは決まっており、外出も基本的には一人ではできません。
施設によって異なりますが、有料老人ホームは複数のメニューから食事を選択できる施設もあります。また、自立している方や介護度の低い方なら、個人での外出も可能です。
費用の違いは下表のとおりです。
それでは、項目ごとに一つひとつみていきましょう。
グループホームの初期費用は10〜20万円です。入居金や保証金などの名称が使われていることが一般的で入居時に支払いを求められます。
有料老人ホームの初期費用は、毎月かかる居住費や管理費などを入居一時金として前払いします。金額はピンキリで、10万程度の比較的少額な施設もありますが、高級を売りにしている施設なら1億円以上かかることも珍しくありません。
グループホームの月額費用は15〜25万円です。月額費用の内訳は、居住費や管理費、水道光熱費、食費などに加え、介護保険サービスの自己負担分がかかります。 有料老人ホームは15〜30万円かかり、内訳はグループホームと同様です。ただ、高級有料老人ホームになると、100万円近くの月額費用がかかります。月額費用は高いですが、設備は高級ホテル並みで医療体制も万全です。
最後はメリット・デメリットについてです。
グループホームは認知症ケアの充実や家庭的な雰囲気などのメリット、入居待ちになりやすいことや医療依存度が高いと退去を求められることなどのデメリットがあります。
有料老人ホームは入居しやすいことや、種別・施設数が多く選択肢が豊富なことなどのメリット、初期費用・月額費用が高いことや自分にあった施設を選ばないと後悔することなどのデメリットがあります。
グループホームには以下のようなメリットがあります。
グループホームの一番のメリットはやはり認知症ケアが充実していることでしょう。入居者の人数や施設がある場所、施設の雰囲気などは、すべてにおいて認知症ケアを考えてのことといえます。認知症の方が穏やかに過ごすことを望むなら、グループホームへの入居を検討しましょう。
グループホームには以下のようなデメリットがあります。
グループホームは認知症の方にとって過ごしやすい施設ですが、医療依存度・介護度が高くなると退去しなければならないというデメリットがあります。看護職員の配置が原則ではないため、医療依存度や介護度が高くなると施設では対応できなくなってしまうのです。
有料老人ホームには以下のようなメリットがあります。
介護付き・住宅型・健康型の種類ごとに特徴があり、さらに施設ごとの特徴もあるため、自分にあった施設に入居できれば充実した老後を過ごせるでしょう。
有料老人ホームには以下のようなデメリットがあります。
「自分にあわない施設に入居すると後悔する」は、どの種類の施設でも同じと思われるかもしれません。しかし、有料老人ホームは種類・施設が豊富にあることで、かえって判断を間違って自分にあわない施設に入居してしまうリスクがあるのです。入居してから退去したくても、再入居するにはさらに多くの初期費用が発生します。自分にあった有料老人ホームに入居するためにも、体験入居や信頼できる機関への相談がとても重要です。
この記事で解説したように、グループホームと有料老人ホームには明確な違いがあります。両方の施設の違いをしっかり把握し体験入居してから、入居する施設を決定しましょう。しかし、お住まいの地域には多くのグループホームと有料老人ホームがあります。それらすべての施設の特徴を把握することは、施設の数から考えて現実的ではありません。
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