介護付き有料老人ホームの費用

介護付き有料老人ホームは、設備や介護保険以外のサービスが施設ごとに異なり、費用の幅が広いです。また、費目細かく、料金プランが複数あるなど複雑な施設も少なくありません。こちらの記事では、介護付き有料老人ホームの入居時費用・月額費用の平均や費用の内訳、料金シミュレーション、費用を抑える方法も説明しています。

静岡県の介護付き有料老人ホーム費用相場

介護付き有料老人ホームの費用相場を知りたい方も多いのではないでしょうか。こちらでは静岡県の介護付き有料老人ホームの入居時費用と月額費用の相場をご説明します。介護付き有料老人ホームを探す時の基準としてご参考ください。

・入居時費用

平均値　約410万円

※入居時費用のかかる介護付き有料老人ホームの平均です。過半数の介護付き有料老人ホームは入居時費用0円、または0円プランがあります。

・月額費用

平均値　約17万6千円

中央値　約17万円

※2022年11月時点のデータです。それ以降に光熱費等の価格高騰により、価格改定している施設も多くあります。現在はこちらのデータより上昇している可能性があります。

入居時費用について

介護付き有料老人ホームの入居では、初期費用や月額費用の確認が必要です。施設によっては入居前に入居金を支払うところもあるため注意しましょう。どんな費用がかかるのか、支払い方法はどうなのか、償却期間はあるのか詳しく紹介します。

入居時費用の内訳

介護付き有料老人ホームでは、初期費用として入居金・前払金・保証金・敷金が必要となるところがあります。入居金は主に家賃の前払い の意味があるため、入居前に支払った額に応じて毎月支払う家賃等が安くなる仕組みです。施設によっては、入居金のことを前払金や保証金と呼ぶことがあります。

一方で、敷金は賃貸住宅の契約である敷金 と同様です。家賃滞納の際に敷金でまかなうためや、退去時の原状回復費用に充てられます。

入居（一時）金 前払金 保証金	家賃または施設利用料、食事提供その他の生活に必要な便宜の供与の前払い
敷金	家賃滞納や退去時の原状回復費用

介護付き有料老人ホーム費用の支払い方法

介護付き有料老人ホームの支払いは、施設により選べます。支払い方法は、月払い・全額前払い・一部前払い・前払い金選択制などです。月払いは初期費用0円で、毎月支払っていく方法です。初期費用がないと入居のハードルは低くなりますが、その代わり月々の費用が高くなるデメリットがあります。

初期費用を支払う場合では、月額費用を全額最初に支払う方法や、一部のみ支払う方法が選択できます。全額前払いをしていても、管理費や食費などの前払いに含まれない費用の支払いは必要です。

月払い	初期費用0円で月々支払う
全額前払い	入居前に全額支払う
一部前払い	一部だけ入居前に支払う
前払い金選択制	前払い金を自由に選べる

入居金の償却期間

入居金は一定期間入居を想定した家賃相当のため、償却期間内に退去すると未償却分が返ってきます。入居期間が長くなれば返還金が少なくなる仕組みで、償却期間を過ぎると返還金はありません。入居金の償却期間は、施設によって異なります。5年間など 一定期間が設けられているため、施設ごとに事前に確認してください。

入居金の返還金は、途中の退去でも全額返ってこない施設があるため注意しましょう。施設側の取り分を引いているためで、引いた金額は予備費として利用されています。全額返ってこない場合トラブルに発展する恐れがあるので、入居前にどのような取り扱いになるか確認してください。

初期償却について

入居金に初期償却を設定している施設も多く見られます。初期償却は入居日または契約日に入居金の一部が償却される仕組みで５～30％程度に設定されています。入居の時点で償却されるので、償却期間内での退去であっても返還されないことになります。

　例：入居金600万円、初期償却20％、5年償却の場合

　　入居金600万円　×　初期償却20％　→　初期償却120万円
　　5年（60ヵ月）償却額480万円　→　1か月償却額8万円
　　・3年6か月で退去の場合の返金額
　　　入居金600万円－初期償却120万円－（42ヵ月×8万円）　→　返還金102万円

ただし90日以内に解約した場合は入居期間の償却分を除き、全額返金される制度（クーリングオフ制度）があり、この場合は初期償却費用も全額返金となります。

月額料金の内訳

介護付き有料老人ホームに入居すると、月額料金がかかります。どのような料金が含まれているのか、詳しい内訳を紹介しますので、参考にしてください。

家賃

一般の賃貸住宅のように、介護付き有料老人ホームでは毎月家賃がかかります。別名「居住費」とも呼ばれるもので、施設により費用の幅があり5万円程度から十数万円かかる施設や、なかには百万円程度 かかる高級な施設もあります。

とくに家賃が高くなるのは、首都圏で設備が整った施設です。都市部で駅近の施設は利便性の高さから人気が高く、家賃が高くなる傾向があります。また、リゾート地でもホテルのような豪華な設備の部屋も高額となる場合があります。部屋のタイプによっても家賃の値段は異なっており、1人部屋や広い個室で好条件なほど、家賃は高くなるでしょう。

食費

介護付き有料老人ホームでは、食事が提供されています。施設によって料金や仕組みが異なっており、1食あたりの単価で提供されるところもあれば、毎月定額料金のところなどさまざまです。

定額制の食事を提供している施設では、外食等で食べない場合、事前連絡することで食事をキャンセルできる施設が多いです。中には、食べなくても毎月一定金額がかかる場合もあります。1食あたりの食事では数百円程度で、月単位の定額制では数万円程度かかります。食費に含まれるのは、食材の費用や、調理にかかる人件費、施設の維持管理に充てられる費用です。

管理費

施設を管理するための費用として、管理費がかかります。共用部分の設備費用や水道光熱費などに充てられる費用です。充実した設備の施設では、管理費が高くなる傾向があります。管理費にどのような費用が含まれるかは施設によって異なるため、事前に確認してください。

豪華な設備が整えられている施設では、管理費が高額になることがあります。管理費は施設によって幅があり、数万円程度のところもあれば、豪華な設備付きで数十万円程度かかるなどさまざまです。

水道・光熱費・電気代

水道・光熱費・電気代は、個別で請求されるケースと、管理費や共益費に含めて一定額が引かれる施設があります。部屋にメーターが設置されている場合は、個別請求です。個別請求では、入居者自身が業者と直接契約を結び、それぞれ支払うケースもあります。

上乗せ介護費

国が定めた人員より多く配置する施設では、上乗せ介護費がかかります。通常は3人に対して1人の介護職員 を配置しますが、それより多い人員を配置する施設では、上乗せ介護費を請求することが可能です。

基準より多い人員を配置している施設では、安心して入居できるでしょう。より手厚い介護を希望する方向けに、充実したサービスとして提供されています。充実したサポートを得たいときは、事前に確認してください。

医療費

介護付き有料老人ホームに入居している場合は、医療費が自己負担になります。多くの老人ホームでは、医療機関と提携しており訪問診療や往診に対応しています。訪問診療や往診にかかった治療費や薬代は、すべて自己負担となるため、介護費用と合わせて考慮しておきましょう。

また、施設によっては、通院のための付き添いサービスを自費で提供されている場合があります。往診に対応してない施設や、施設と提携していない医療機関を利用する時にかかる費用です。

その他

その他の費用としては、生活支援費・おむつ代・日用品費・美容費などがあります。入居者が希望した際にかかる費用のことで、月々数千円～数万円程度 を考えておきましょう。その人によって必要なものは異なるため、それぞれ算出する必要があります。

生活支援費	郵便受取、買い物代行、家事サービスなど
おむつ代	家族持ち込みで安くできる場合も
日用品費	家族持ち込みで安くできる場合も
美容費	訪問理美容にかかる費用

特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅の場合

サービス付き高齢者向け住宅は、「サ高住」とも呼ばれる施設です。一般的には介護サービスはついておらず外部サービスを利用する必要がありますが、特定施設入居者生活介護の指定を受けているサ高住は「介護付き有料老人ホーム」と名乗ることが認められています。この場合、契約方式は賃貸借契約となります。

介護付き有料老人ホームの料金シミュレーション

施設によって費用は異なりますが、一例として介護付き有料老人ホームに入居した際の料金シミュレーションを紹介します。
家賃は月々の費用を抑えたいなら数百万円の初期費用を支払うと、月々5万円程度に収めることが可能です。この場合では、家賃5万円・管理費1万円・食費4万円・介護サービス費1万とすると月額11万円 となり、その他の費用や生活支援サービスを含めると15～16万円程度です。

一方で、特定施設の指定を受けていないサ高住（サービス付き高齢者向け住宅）の場合は初期費用が0円～数十万円 になります。介護サービスを使わなければその分が0円になるため、介護が不要で初期費用を抑えたいならサ高住の利用がおすすめです。ただし、サ高住は賃貸住宅のため、敷金のかかる施設が多いです。

介護付き有料老人ホーム費用を抑える方法

介護が不要なときは初期費用が安いサ高住に住んで、介護が必要になったら介護付き有料老人ホームに住み替えるという方法があります。または介護が必要な状態なら、以下の条件を変えて介護付き有料老人ホームを比較しましょう。
●居室タイプを比較する
● 立地を比較する

広い部屋や1人部屋になると、家賃が高くなる傾向があります。立地は都市部にある施設や、駅から近い施設だと料金が高くなるでしょう。ほかにも、共有スペースの施設が充実しているのか、介護スタッフの人員が多いのかなど条件を比較することで、月々の費用を安くできます。

高額介護サービス費支給制度

1か月の介護サービス額の自己負担額上限を超えたら、払い戻される制度があります。制度を利用するには、市町村窓口での申請が必要です。世帯や個人の所得に応じて月の上限額が決まっており、上限額を超えると介護保険から払い戻されます。

生活保護を受給している場合や、個人の市町村民税が非課税の場合は上限が15,000円 になります。課税世帯である場合でも、所得に応じて上限額を超えれば払い戻されるため、介護費用を抑えたいときは申請しておきましょう。

高額医療・高額介護合算療養費制度

介護費用が高額になる高齢者がいる世帯では、経済負担を軽減する制度が利用できます。1世帯の医療費や介護費用を合わせた金額が上限を超えたら、払い戻しがされる制度です。上限額は世帯の所得で決められているため、事前に確認してください。制度を利用するには自治体の国民健康保険に申請する必要があるため注意しましょう。

介護付き有料老人ホーム費用のご相談なら

介護付き有料老人ホームは入居時費用と月額費用があり、支払い方法が選択できる施設もあります。施設によって介護付き有料老人ホームの費用が異なるため、比較が難しい時は、静岡老人ホーム紹介タウンYAYAをご利用ください。お客様一人ひとりの状態に合った老人ホーム探しをお手伝いしています。施設選びや見学にも同行するので、より満足いただける施設選びが可能となります。相談から入居まで無料でご利用いただけます。お問い合わせはこちらからどうぞ