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サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、バリアフリー設計の賃貸住宅で、他の老人ホームとサービスや料金体系が異なります。この記事では、サービス付き高齢者向け住宅の基本情報や費用の内訳、料金シミュレーション、さらに費用を抑えるための方法について詳しく解説しています。
サービス付き高齢者向け住宅とは、主に介護の必要性が低く自立した生活ができる人を対象としたバリアフリーの賃貸住宅です。略して、サ高住とも呼ばれます。原則60歳以上の高齢者、もしくは60歳未満で要介護認定を受けている方で、自立した生活ができることが入居条件です。
ただし、サービス付き高齢者向け住宅には一般型と介護型があり、介護型の場合は要介護度の高い方、認知症の方などを受け入れます。主なサービスは、食事の提供や健康管理、リハビリ、介護などです。
一方、一般型のサービス付き高齢者向け住宅は、自立した生活が送れる高齢者の方の利用を想定しており、主なサービスは安否確認や生活相談などです。
そのため、一般型の方は必要に応じて、外部の介護サービスを自分で契約することになります。一般型で提供されるサービスは、安否確認や生活相談などが主体です。安否確認では介護スタッフが定期的に部屋をまわり、問題がないか困ったことがないか安否を確認します。生活上の悩みや困りごとについては、生活相談でサポートしています。
しかし、一般型だからといって必ずしも介護サービスが受けられないわけではありません。提供されるサービスは住宅ごとに異なり、一般型でも必要な支援が受けられる場合があります。ただし、サービスが受けられる場合であっても、基本的には介護保険外となるケースが多いでしょう。サービス付き高齢者向け住宅への入居を検討する際は、あらかじめサービス内容や費用などについて確認しておくようにしてください。
サ高住の費用相場を知りたい方も多いのではないでしょうか。こちらでは静岡県のサ高住の入居時費用と月額費用の相場を表でご説明します。サ高住を探す時の基準としてご参考ください。
平均値 | 中央値 | |
入居時費用 | 96,788円 | 100,000円 |
月額費用 | 141,904円 | 139,900円 |
※2022年11月時点のデータです。それ以降に光熱費等の価格高騰により、価格改定している施設も多くあります。現在はこちらのデータより上昇している可能性もあります。
静岡県内のサービス付き高齢者向け住宅の入居時に必要となる費用は主に敷金で、概ね賃料の2~3か月分です。稀にその他の施設管理費を一括で支払う施設などがあります。
サービス付き高齢者向け住宅に入居した時にかかる月額費用について、詳しく解説します。 金額については、だいたいの目安と捉えてください。
月額費用の中でも多くを占めるのが、家賃です。都心部や駅から近い、立地がよいなどの地域ほど賃料は高くなります。周辺の賃貸物件の相場と同じくらいに設定されていることが多くなっているので、確認してみましょう。
食費は1日1,000円~1,500円程度。月額30,000円~50,000円が相場です。
施設によっても異なりますが、一般型のサービス付き高齢者向け住宅でキッチン付きの部屋がある場合は自炊も可能です。 施設に支払う食費は、食事サービスの利用分だけで済みます。
介護型のサービス付き高齢者向け住宅では部屋にキッチンが無い場合が多く、食事サービスを受けることが前提です。
共益費(管理費)は20,000円~50,000円程度が相場です。中には家賃と同額程度の費用がかかるケースもあります。共益費は施設の維持費や管理費となるため、共有スペースが多い、設備が充実しているといった施設は費用も高くなる傾向があります。
一般型は0円~30,000円程度。安否確認・生活相談費用は毎月定額で発生しますが、それ以外のオプションサービス費は利用した分だけ費用が必要です。介護保険サービスを利用した場合は、要介護度によって1~3割の自己負担額がかかります。介護型は介護保険サービスが必須なので、毎月定額でかかります。
通院している方は、病院までの交通費のほか、診察料や薬代などの出費があります。訪問診療を受ける際の費用は、診療内容にもよりますが10,000円程度です。
なお、一般型で外部の介護サービスを利用した際は、別途自己負担金が発生します。外部の介護サービスには訪問介護やデイサービス、福祉用具レンタルなどが挙げられ、利用状況によって費用負担額が異なります。
詳細は記事の後半でも解説しているため、入居を検討されている方は参考にしてください。
日用品にかかる費用やオムツ費用、趣味やサークル活動にかかる費用があります。オプションとして掃除や買い物代行、通院同行などがあり、利用した分が加算されます。施設によっては看取り介護の場合加算されるケースもあるので確認が必要です。洗濯代は施設によって、洗濯室を利用したり家族が持ち帰って洗濯をしたりするなど方法によって費用が異なります。また、水道光熱費は共益費に入っている場合と別途実費で払うケースがあります。
一般型のサ高住で介護サービスを利用したい場合は、介護サービスが提供されている住宅を選ぶか、外部業者と契約をする必要があります。
サ高住の一般型は自立〜軽介護度の高齢者を想定しているため、住宅によっては入居者に対する介護サービスが提供されていません。そのような場合は、外部サービスの利用を検討しましょう。
利用できる主な外部サービスには、以下のようなものがあります。
訪問介護 | 食事・入浴・排せつなどの身体介護サービスや、 掃除・洗濯・食事の準備など 生活援助サービスが受けられます。 |
訪問看護 | 看護師が健康状態を良好に維持するため、 回復に向けての医療処置・ケアを行います。 |
デイサービス | 入浴・排せつの介護、 生活機能の維持・向上のための訓練を行います。 |
訪問診療 | 医師や看護師が診察・治療・検査・投薬などの 医療サービスを行います。 |
福祉用具レンタル | 介護用ベッドや車いすなどを借りるサービスです。 保険適用外のサービスを合わせて 行っているところもあります。 |
サービス付き高齢者向け住宅に入居する際の料金について、シミュレーションで実際の費用を確認してみましょう。
身の回りのことは自分でできる女性(年齢75歳)が静岡県のサ高住に入居する場合を想定しています。敷金が家賃3か月分の場合、このほかに入居時に147,000円がかかります。
食事は毎日依頼、介護保険サービスを使わなかった場合の月額費用のシミュレーションです。
介護状況や入居する住宅によっても費用は変動するため、項目ごとの費用について整理しておくとよいでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅の家賃は、郊外では安くなる傾向があります。家族が車で移動できるのであれば、鉄道駅周辺ではない場所を選択すれば家賃を抑えることができるでしょう。料理ができるのであれば、キッチンが完備されている施設を選び自炊をすることで食費が浮きますが、自分で作ったり、食堂で食べたりすることを選択可能な施設は高額となる傾向があります。見学をして適切な居室タイプを選ぶことも必要です。
また、施設によって共益費に含まれる費用が異なります。 電気代や水道料金なども出費がかさむ原因となるので、別料金になるのか入居時に確認しましょう。できるだけ費用を抑えるには定額でかかる以外の部分を工夫することです。食費のほか、洗濯は家族が持ち帰る、日用品はまとめ買いをしておくなど工夫をしてみましょう。
そして、もう一点注意しておきたいのが、介護サービスにおける囲い込みです。囲い込みとは、運営事業者が入居者に対して、特定の介護サービス事業者や医療機関の利用を強制したり、必要以上のサービスを契約させたりする行為を指します。
本来であれば自由に選択できるはずの介護サービスや医療機関が、囲い込みによって割高な事業者や必要のないサービスに限定されることになります。これにより、入居者は本来支払う必要のない費用を負担することになり、結果的にサ高住の費用全体が割高になるおそれがあるのです。
サービス付き高齢者向け住宅の費用を押さえるためには、複数の介護事業者に相談し、サービス内容や費用を比較検討しながら適切に判断することをおすすめします。囲い込みへの違和感を感じたら、地域包括支援センターや市町村の窓口などを通じて相談してみましょう。
サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際には、費用面について十分な考慮が必要です。費用を考えながら、妥協しても良い点と妥協したくない点を書き出してみましょう。入居者がどのような生活を送りたいのか、はっきりとしたビジョンを持つことが大切です。 ビジョンに沿って予算内に収まる施設を選択すれば、満足できる可能性が高くなります。
特に一般型のサービス付き高齢者向け住宅は、施設の設備やサービス内容によって充実した生活ができるかどうかが決まってしまうことも少なくありません。そのため、費用面だけでなく、自分にとって何が必要かをしっかりと確認することが大切です。
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