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アルツハイマー型認知症とは|具体的な症状と予防法まで解説

2024年6月19日
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認知症には種類があり、アルツハイマー型は最も患者が多いです。こちらの記事では、アルツハイマー型認知症の特徴、原因、症状、治療方法、よくあるケースを用いた対応の仕方についてご説明します。ご家族様に対して認知症と思われる症状がある場合、当てはまる点や今後の対応について考える際に参考にしてください。

アルツハイマー型認知症の特徴

静岡老人ホーム紹介タウンYAYA_アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症は認知症の一種で、ゆっくりと進行するため発症に気づきにくいと言われています。日本人の65歳以上のうち、認知症の人数は2020年の時点で約600万人 と推計されます。年々認知症になる人は増えており、高齢化が進むほど今後もさらに増えていくでしょう。認知症はだれでもかかる可能性があるため、認知症の理解を深めて、ともに生きられる社会を作ることが重要です。

アルツハイマー型認知症の原因

静岡老人ホーム紹介タウンYAYA_アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症は脳神経の変性によって脳の一部が萎縮し、それが進行する過程で起きます。発症した人がPET検査を受けると、脳内の前頭葉・後部帯状回・楔全部にアミロイドβの蓄積が確認できます。他には脳の血流低下も原因のひとつとされています。認知症は本人の心がけで治るものではありません。

アルツハイマー型認知症がたどる過程

認知症_高齢者

アルツハイマー型認知症を抱える人の症状は記憶障害や理解・判断力の障害、見当識障害、実行機能障害、失効・失認・失語など様々です。ここでは初期、中期、後期で目立ち始める症状についてそれぞれ説明していきます。

初期(2~3年)

直前のことでも場面が切り替わるとすぐに忘れてしまう、献立を考えて買い物することやおかずを二品同時進行で作ることができなくなっていきます。また、自分がどんな時間や場所を生きているのかという基本的な状況が分からなくなる、見当識障害が現れてくることもあります。季節や時間の感覚が分からなくなるので、時間までに出かける準備を済ませることが難しくなります。考えるのに時間がかかってくるほか、情報処理の能力が下がるので一つひとつしか考えることができなくなっていきます。入院や引っ越しなどいつもと違ったことがあると、状況を処理しきれなくなって混乱しやすくなるでしょう。そのほか、ものをなくした時に「盗まれた」という被害妄想が出ることもあると心得ておくのが賢明です。

中期(3~5年)

中期では、記憶力はさらに衰え、数年から数十年の記憶が失われていきます。トイレの場所が分からなくなり失禁する、近所なのに迷子になり、知り合いに付き添われて戻ってくる、何キロも先まで徘徊して警察のお世話になるなど、徐々に場所に対する見当識が薄れていくのです。また物事に対する手順の理解が難しくなるので、今まで使っていた洗濯機や電子レンジが使えなくなり、誰かがいないと生活することも難しくなってきます。運動器に問題がないのに自力で着替えをすることが難しくなる、感覚器に問題がないのに言葉が出にくくなるなど失行失語が目立ってきます。周囲から責められるので傷つきますが、言語能力の低下でうまく表現できず、その苛立ちや鬱憤が、暴言・暴力という形で現われることもあります。

後期~最期(5年以降)

記憶を溜めておく「ツボ」のようなものである海馬の委縮が進むと、過去に覚えた記憶までこぼれ落ちていくようになります。人の生死や人物を忘れるので、亡くなった親が生きていると言うことはよくあることです。また、この頃すでに時間の見当識障害はかなり進んでいるので、自分の年齢を何十歳も若く勘違いし、息子や嫁を兄や姑などと思い込んでしまうこともありえるでしょう。最期に近づくにつれ、会話、食事、排泄、歩行能力が低下するので、意思疎通が困難になり寝たきりで過ごす時間が長くなりがちです。常時介護する必要があり医療や介護サービスへの依存度も高くなるので、入院や施設入所をする人も多いでしょう。

アルツハイマー型認知症の症状

静岡老人ホーム紹介タウンYAYA_アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症は静かに進行するため、家族だけでなく本人も気づかない場合があります。あらかじめ症状を知っておき、気になる症状はないか初期症状をチェックしましょう。

記憶障害

記憶障害はいわゆる物忘れのことで、アルツハイマー型認知症の初期段階から現れます。加齢による自然な物忘れとは違い、最近のことほど忘れる、またできごとの一部ではなく全体を忘れてしまいます。

たとえば買い物を頼まれて出かけたとき、何を買うか忘れた場合は加齢による物忘れですが、出かけた目的すら忘れるのはアルツハイマー型認知症の可能性があります。

見当識障害

日にちや時間・昼夜の区別・季節がわからなくなり、症状が進行するとふだんから出かけていた近所のスーパーや友人の家などへも迷って行けなくなります。自宅の場所がわからず帰れない、自宅内でトイレの場所がわからず排泄が間に合わないケースも出てきます。

理解・判断力の障害

複雑な話の展開についていけない、展開が早い話がわからないなどのほか、抽象的な言葉のイメージがしづらくなります。洋食や中華という表現がイメージできないため、ハンバーグやラーメンなど具体的な名称を使った意思疎通が必要です。話についていけず、知らないうちに訪問販売を契約させられるケースなどもあります。

実行機能障害

手順や計画が必要な行動が難しくなり、毎日の料理や掃除など慣れていた家事ができなくなります。進行すると、し忘れた行動から妄想するようになって、自分が財布を置き忘れたにもかかわらず誰かが盗んだととらえ、被害妄想を膨らませることがあります。

行動・心理症状

発症の初期~中期は、本人もそれまでできたことができない不安を持っており、家族など周りから責められた場合、自信がなくなりプライドが傷つきます。言葉で状況を説明したいもののうまく言葉が出てこないため、ひどい場合は抑うつや無気力になる、暴言を言うケースもあります。

アルツハイマー型認知症の予防方法

親子
遺伝子レベルの研究が進められる中、発症の10~20年も前からアルツハイマー型認知症の予兆が見られることが分かってきました。MCIと呼ばれる軽度認知障害の段階から介入し、発症予防の取り組みをすれば、抑制や改善が可能だと考えられるようになっています。ここでは3つの予防方法について説明していきます。

少し汗ばむ程度の運動

生活習慣がアルツハイマー型認知症の発生と大きく関係していることが突き止められ、運動や身体活動を行っている人は、アルツハイマー認知症発症リスクを最大で65%まで軽減できるとされています。適度な運動は脳の血流を増やすばかりか、動脈硬化と呼吸機能を改善し、血管疾患のリスクをも低下させます。結果的に体の炎症を軽減し、脳を含む全細胞の寿命を延ばす効果があるのです。また、健康な高齢者で「1日の総活動量」が多い人と少ない人では、アルツハイマー型認知症発症率がおよそ2.3倍も違うというデータもあります。運動や家事などの身体活動が、アルツハイマー型認知症の発症リスクを下げる効果があるといえるでしょう。

会話で脳を活性化

MCIの人に共通するのは、社会とのつながりが弱く孤独になりがちな状況にいるということ。アルツハイマー型認知症の予防に社会交流が大切とされるのは、人と話をすることが脳の刺激となり、神経細胞ネットワークを活性化するからです。しかし無理をする必要はなく、ストレスのない会話を意識するのがポイント。もともと大人数が苦手な人が急に大きな集まりに参加しても、緊張してしまって会話どころではないでしょう。心地よい家族や友人と、興味関心の高い事柄に対する質の高いコミュニケーションをとることが大切です。支える側としては、馴染みの人間関係の中で協働する、本人の得意なことを認めてもらえるような場を持ち続けられるよう環境作りをしてあげましょう。

生活習慣病に気を付ける

高血圧は全ての認知症発症リスクになり、治療して血圧を下げると認知症のリスクが20%減少することが分かっています。また、血中コレステロール高値がアルツハイマー型認知症の発症と相関すること、これを下げる薬剤が発症率を低下させるとの報告もあり、生活習慣病に気を付けることがアルツハイマー型認知症予防のカギといえるでしょう。特に中年期の高血圧、高コレステロールを含む脂質異常症、肥満の人が認知症になる確率は、そうでない人の2倍以上で、老年期に入って生活習慣病になる場合より影響が大きいというデータがあります。アルツハイマー型認知症を予防するには、中年期の生活習慣病を防ぐ運動習慣や、豊かな会話ができる人とのつながりを作っておくことが大切です。

アルツハイマー型認知症の治療方法

静岡老人ホーム紹介タウンYAYA_アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症の根治療法はまだ確立していません。そのため、可能な限り症状を軽くしながら進行を遅らせる治療を行います。

治療方法は薬物療法と非薬物療法があり、その人の症状に応じて組み合わせて治療を進めていきます。治療は医師が正しく診察した結果のもと、医師の指示に従って行う必要があるので、アルツハイマー型認知症を疑う症状があるときは、早めに病院を受診しましょう。まずかかりつけ医に症状を相談し、次に認知症専門の医師や医療センターの受診がおすすめです。

アルツハイマー型認知症の対応の仕方

静岡老人ホーム紹介タウンYAYA_アルツハイマー型認知症の特徴

家族がアルツハイマー型認知症かもしれないと感じたときは、それまでどおりの対応をせず、次のポイントを確認しましょう。認知症ではない人が「これくらい大丈夫」と思ってかけた言葉でも、認知症の人は不安が大きくなりやすいためです。

認知症の方に接する時に重要なこと

認知症の人を抱える家族だけではく本人にも不安があるので、その不安を受け止めることが認知症の人と接する原則です。できないことが増えても羞恥心やプライドは消えておらず、指摘は本人を傷つけ混乱させる可能性があります。

認知症の人が話す内容がたとえ事実と異なっていても、本人にとっては事実ととらえてあいづちを打つとスムーズなコミュニケーションをとれます。自分の話を聞いてもらえた、肯定してもらえたと思うと良い感情が蓄積され、症状の緩和に役立ちます。

生活環境を整える

認知症になると変化への対応が困難になり、住み慣れた家でも事故が起きるおそれがあります。視覚能力が低下して物の輪郭があいまいになり、聴覚能力も低下し耳が聞こえづらくなるので、日常生活で困らない工夫をしましょう。

たとえば、家具の配置や部屋のレイアウトを変えず、カレンダーを目につくところにはります。食事のあとは食べ終えた食器をすぐに下げずに置いておくなど、あらゆる工夫ができます。

アルツハイマー型認知症の方のよくあるケース

周りの家族からすると問題行動に見えることも、本人なりの理由がありどうしようもできない場合が多いです。たとえば何でも物を集めて捨てない・使った食器や脱いだ衣服などを適切に処理せず部屋を汚す・置き忘れを誰かが盗んだと妄想するなどがあります。

食事は済んだにもかかわらず「まだか」と催促するときは、否定せず準備していると伝えて、軽食を出すとよいでしょう。しかしそれで満足しない場合はもう一度食事を出すこともあります。

昼夜逆転の生活をする人は、午前中に日光を浴びる・日中の活動量を増やす・生活のリズムを整えるなどを行いましょう。寝室の明るさや物音が影響している場合もあるため、睡眠環境を確認し、本人が安心して眠れる空間を作ることもおすすめです。

ご家族様が限界を迎える前に助けを求めることも重要

静岡老人ホーム紹介タウンYAYA_アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症は脳の萎縮により起き、本人と家族は今までできたことができなくなり、不安になります。物忘れや理解力の低下などさまざまな能力が衰え、日常生活に影響を及ぼして自信がなくなるので、周りの人は叱らず受け止めることが良い対応です。しかし認知症が進行し暴力や妄想がひどくなると、家族では支えきれなくなる可能性があります。そうなる前の症状が軽度なうちから介護サービスの利用を始め、上手に認知症と付き合いましょう。

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