ケアハウスとは・入居条件や特徴をわかりやすく説明

ケアハウスは軽費老人ホームの1つで自立型と介護型があり、受けられるサービスも異なります。ケアハウスを知りたい方へ、ケアハウスの入居条件、費用、受けられるサービス、特養や有料老人ホームとの違いについて分かりやすくご説明します。

ケアハウスとは

ケアハウスとは、自立した生活が送れるまたは要支援が必要な高齢者向け住宅である「軽費老人ホーム」のひとつで、「軽費老人ホームC型」ともいいます。

軽費老人ホームとは、その名前の通り少ない費用で入居できる施設のことです。軽費老人ホームにはA型・B型・C型と種類があり、C型に含まれるのがケアハウスです。

ケアハウスには自立型と介護型がある

軽費老人ホームC型であるケアハウスは、さらに自立型と介護型の2種類に分けられます。それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

自立型

自立型のケアハウスは、生活に不安を抱える60歳以上を対象とする施設です。施設では、食事提供・生活支援サービスを受けることができます。ケアハウスのなかでも自立型は主流なタイプで、介護が必要な人の入居は難しくなっています。介護職員の配置 は、要支援者10人につき1人、要介護者3人につき1人です。また、常勤の介護職員は1人以上いなければなりませんが、外部のサービスを利用して入居者に支障がなければ、入居者の同意を得て常勤の介護職員を置かないこともできます。

介護型

介護型のケアハウスは、65歳以上 で要介護1以上の人を対象とした施設です。自立型と同じように、食事提供と生活支援サービスが受けられ、さらに介護サービスもあります。要介護認定を受けた方は、ケアハウスの介護型を選ぶといいでしょう。

また、介護職員の配置は自立型と同じですが、施設内で介護サービスを受けることが条件のため、常勤の介護職員は1人以上いることになります。

ケアハウスの入居条件

ケアハウスの入居条件は、自立型と介護型で異なります。どちらにも共通しているのは、医療的ケア対応施設が少ない点です。
自立型は60歳以上で自立した生活が送れるか、要介護2まで が対象です。ただし介護度が重い場合は入居を断られることが多いようで、掃除・洗濯・食事などのサービスを受けたい人に向いています。

一方で、介護型の入居条件は、65歳以上の要介護の方のみです。介護度は要介護1以上が目安で、施設での介護サービスが受けられます。

ケアハウスの費用

軽費老人ホーム全般は、低所得高齢者のための住まいとしてあります。そのため比較的低費用で入居ができますが、施設によって多少費用が変わるため、各施設の詳細を確認してください。

入居時費用

初期費用は0～30万円程度で、退去時に返ってくることが多いようです。しかし、返ってこない場合もあるため、事前に確認してください。有料介護施設のような高額な初期費用の心配は少なくなっていますが、金額や返金されるかは施設により異なるため確認が必要です。

月額費用

ケアハウスにかかる月額費用は、9万円～15万円 くらいまでです。前年度の収入額によって変わってきますが、最大15万円くらいだと考えておくといいでしょう。

また、介護保険サービス利用料以外にも、食費・光熱費・管理費・家賃・介護サービス費の負担額が必要となることがあります。自立型の介護は外部サービスのため使っただけかかりますが、介護型は定額がかかることが多いようです。

受けられるサービス

ケアハウスに入居すると、さまざまなサービスが受けられます。自立型では生活支援がおもなサービスですが、外部の介護サービスを受けられます。また、介護型では施設内での身体介護も受けられるでしょう。

生活支援

ケアハウスの生活支援は、掃除・洗濯・食事など生活に必要なサービスのことです。高齢者の健康を考えたバランスの良い食事が3食提供されるため、入居者は料理する必要がありません。また、掃除や洗濯のサービスもあるため、自分で身の回りのことをするのが不安な方にケアハウスはおすすめです。

身体介護

ケアハウスの身体介護は、自立型は訪問介護などのサービスを利用することになります。身体介護の内容は、食事・入浴・排泄といった介助です。介護型であれば施設内で介護サービスが受けられるため、介護度が上がっても安心して入居することができます。

レクリエーション

入居者は個室が与えられますが、共有スペースでは入居者同士の交流ができます。さまざまなレクリエーションが行われるため、毎日の生活で楽しみがあるでしょう。各施設は、レクリエーションを通して入居者との交流も深められ、生きがいを感じられるよう努めています。

リハビリ

自立型のケアハウスに入居しながらリハビリを受けるには、外部のサービスを利用します。通所リハビリに通うときは、スタッフの付き添いがあるため安心です。

また、訪問リハビリテーションの利用も可能です。

ただし、介護型ケアハウスでの機能訓練は「特定施設入居者生活介護」での提供になります。そのため、外部サービスは利用できず、医師の指示がない機能訓練としての運動のみです。

他の老人ホームとの違い

ケアハウスの入居を迷っているなら、他の老人ホームとの違いを比較してみましょう。老人ホームといっても種類があるため、自分に合った施設を選んでみてください。

介護付き有料老人ホーム

ケアハウスは公的施設なのに対し、介護付き有料老人ホームは民間施設です。介護付き有料老人ホームは、介護型ケアハウスと似たようなサービスが受けられます。さらに、施設のコンセプトによってレクリエーションやリハビリに力を入れているなど、民間施設ならではのこだわりがあります。

ケアハウスは入居難易度が高いことから、すぐの入居や施設の雰囲気やこだわりに合いそうな方は、介護付き有料老人ホームをおすすめします。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは民間施設タイプです。民間の有料老人ホームは入居がしやすい特徴があり、介護が不要なら介護付き有料老人ホームより費用が安くなる住宅型有料老人ホームを選ぶといいでしょう。介護付き有料老人ホームと同様、レクリエーションや独自の取り組みに力を入れている施設もあります。

介護が必要になっても外部サービスを利用することが可能で、介護サービス費を抑えている分、入居時の費用が低くなります。

特別養護老人ホーム

ケアハウスと特別養護老人ホームどちらも公的施設です。介護度が高い場合は、特別養護老人ホームの入居をおすすめします。

特別養護老人ホームもケアハウス同様に費用が安くなりますが、要介護3以上の人でなければ入居できないため、入居難易度は高いと考えておいてください。

ケアハウスのメリット・デメリット

ケアハウスの入居を迷っているなら、メリット・デメリットを比較してみましょう。良い面が多いと感じるなら、ケアハウスの入居が向いていると判断することができます。

メリット

ケアハウスのメリットは以下のものがあります。

• 費用が安い
• 個室なのでプライバシーが守られる
• 入居者同士の交流が楽しめる

ケアハウスは月額9万円からと比較的安く入居できるため人気があります。また、個室でプライバシーを守りながら、共有スペースで入居者との交流も楽しめるため、メリハリのある生活になるでしょう。最初から介護型のケアハウスを選んでおけば、介護度が上がっても安心です。

デメリット

ケアハウスは費用が安くすむことから人気があるため、入居待ち期間が長くなります。空きがあれば1か月ほどで入居できることはありますが、長く待っている人は1年以上も待って入居できた、というケースもあります。すぐに入居を考えているなら、他の老人ホームも考慮しなければなりません。

入居条件に当てはまらない方へ

ケアハウスの入居条件に当てはまらないときは、別の老人ホームがおすすめです。介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホームの入居も視野に入れながら、さらに範囲を広げたい人におすすめの施設を紹介します。

グループホーム

グループホームは認知症と診断されている方を対象とした民間施設です。5～9名の少人数制で、認知症の人が住み慣れた地域で暮らすことができます。施設と同一市区町村に住民票のある方が入居できます。認知症のサービスやケアに特化しており、認知症の疑いがあるならグループホームの入居がおすすめです。

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）

自立した生活に不安がある方や、介護が必要になってきた人には、民間施設のサービス付き高齢者向け住宅の入居がおすすめです。

ケアハウスのサービス内容と似ていますが、サ高住は民間施設のため入居難易度が低く入居しやすいでしょう。サ高住にも一般型と介護型があります。一般型はケアハウスの自立型、介護型はケアハウスの介護型に似ています。民間施設ならではのレクリエーション等の取り組みや併設デイサービスでリハビリを受けられるなど、充実した生活を送れます。生活に不安を抱えてきたら、入居を検討したい施設です。

ケアハウスに入居を検討されている方へ

ケアハウスは低価格で入居できることから人気が高く、入居難易度が高くなっています。1年以上の待機期間が必要となる施設もあるため、早めの行動がおすすめです。

また、待っている間に介護度が高くなりすぐに入居が必要になることも考えて、複数の施設を比較するようにしておきましょう。ケアハウスの入居を待ちながら、すぐに入居可能な選択肢もあると安心です。

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