サービス付き高齢者向け住宅とは｜介護保険利用サービス｜特徴・入居条件・サービスを解説

サ高住と言われるサービス付き高齢者向け住宅には一般型と介護型があります。こちらの記事では、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や入居条件、タイプ別の受けられるサービス、有料老人ホームとの違いについてご説明しています。

サービス付き高齢者向け住宅とは

サービス付き高齢者向け住宅とは、身体介護や生活支援などを受けられる賃貸住宅のことです。高齢になると通常のマンションやアパート、戸建てなどで生活するのは不安なものですが、介護支援や安否確認などのサービスを受けられる住宅であれば安心です。

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が安心して暮らせる支援やサービスが受けられるバリアフリーの賃貸住宅、と考えるとわかりやすいでしょう。そのため、基本的には自分で身の回りのことができるなど、自立している方向けです。

サービス付き高齢者向け住宅は主に「一般型」ですが、要介護度が重い方が利用できる「介護型」もあります。対象は60歳以上の高齢者もしくは要介護認定を受けた60歳未満の方。高齢だからといった理由で入居を断られることはありませんが、ほとんどの場合、身元引受人・連帯保証人が必要です。連帯保証人などが見つからない場合は、高齢者住宅財団の家賃債務保証制度を利用することが可能です。

一般型と介護型

サービス付き高齢者向け住宅では元気な方や介護度が低い方を対象とした一般型と、要介護者を対象とした介護型があります。制度上サービス付き高齢者向け住宅の居室は25平方メートル以上でキッチン、風呂、トイレを設置するなどの条件があります。ただし、共用のキッチン、風呂がある場合の居室面積は18平方メートル以上とすることもできます。この18平方メートルという広さは、有料老人ホームの1室の部屋面積と同じ広さの基準となっています。

多くの場合、一般型では居室にキッチン、風呂、トイレがあり、一般の賃貸住宅に近い暮らしをしています。一方介護型は居室にはトイレと洗面程度の設備で風呂やキッチンは共用となっています。介護型では食事の提供、入浴の支援、介助が必要な方が対象と想定されているため、これらの設備が共用となっています。

また、介護型では介護事業所が併設されているケースも多く、訪問介護やデイサービス、複合型サービスの小規模多機能型居宅介護の事業所が設置され、そこで入浴の支援やレクリエーション活動などが行われています。併設事業所の機能をフル活用することで、介護付き有料老人ホームに近いサービスを実現している施設も多く見られます。

サービス付き高齢者向け住宅の費用

サービス付き高齢者向け住宅を利用する際には、主に以下の費用がかかります。 一般型と介護型出は費用が異なるので、注意しましょう。

初期費用	0~65万円
月額費用	6.5～23万円

入居する際には敷金（入居一時金）として、初期費用がかかります。礼金や更新料はかかりません。家賃の2ヵ月分を払うケースが一般的ですが、介護型では家賃を前払いとして払うケースがあり、高額になることもあります。

月額費用は、施設によって内容も金額もさまざまですが、基本的には、家賃、食費や光熱費、生活支援サービス費、日用品費などがかかります。

サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービス

サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービスは、基本的に安否確認と生活相談です。施設によっては、外部の介護サービスなどと提携し、身体介護やレクリエーションなどさまざまなサービスを受けられます。

基本的に受けられるサービス	オプションで受けられるサービス
・安否確認 ・生活相談	・生活支援 ・身体介護 ・レクリエーション ・リハビリ ・医療 ・看取り　など

安否確認

スタッフが定期的に部屋を訪問し、問題がないか、元気で過ごしているか、など利用者の状況を確認します。施設によっては部屋に設置されたセンターを利用するケースや、スタッフによる見守りの両方を行っている場合もあります。夜間などスタッフが常駐していない時間帯は、緊急通報システムがあるので迅速に対応できる環境を整えています。

生活相談

介護福祉士や介護職員初任者研修、看護師など介護の専門家が、生活における悩みや困ったことなどの相談を受け付けています。日常生活の中で自分では難しいこと、高い位置にある物を取ってほしい、重い荷物を運んでほしいなど、日々のちょっとしたことをサポートしてくれるサービスです。

生活支援

料理や掃除、洗濯などのサポート、買い物の付き添い、通院サポートなど、日常生活において自分ではできない、あるいは不安があることなどをサポートしてくれるサービスです。一般型においてはオプションとなるため、サービスを利用したい場合は、このようなサービスが利用できる施設を選ぶか、自分で外部の事業者と契約をします。

身体介護

入浴や食事、排せつなどの介護サービスです。一人では食事ができない、着替えが難しいなどの方を対象にサービスを行います。一般型ではオプションとなることが多く、利用する場合は訪問介護サービスなど外部の事業所との契約が必要です。

レクリエーション、リハビリ

ゲームやパズル、手芸やカラオケなど脳の活性化につながるものや、ラジオ体操など身体機能を活性化させる内容など、施設によってさまざまなレクリエーションやリハビリが行われます。中には自然と触れ合いながら体を動かせる園芸を取り入れているケースもあります。レクリエーションは入居者同士とのコミュニケーションの場ともなり、認知症予防にもつながります。リハビリは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者の状態に適したリハビリを行います。

一般型でレクリエーションやリハビリを受けられる施設は多くはありません。一般型で受ける場合は、要介護認定を受け、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションを利用します。

医療体制・看取り対応

サービス付き高齢者向け住宅における医療行為は、たんの吸引や胃ろう、インスリン注射といった日常生活に必要なケアをさします。そのため、医師が常駐しなくても看護師や介護職員が行うことができます。苦痛を和らげ、快適に生活ができるターミナルケアに対応しているケースもあります。主に、緩和ケアを行う医療機関や訪問看護サービスと連携し、ケアを行います。

介護型では介護職員が24時間常駐し、看護師も常駐していますが、一般型では看護師が常駐していない場合もあります。一般型で医療行為や看取りを希望する場合は、訪問看護などを別途契約します。

有料老人ホームとの違い

有料老人ホームもバリアフリー住宅であり、高齢者が生活しやすい設備が整っています。しかし、サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームとは異なるものです。サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームとの違いを見ていきましょう。

介護付き有料老人ホームとの違い

入居対象が60歳以上の方に対して、介護付き有料老人ホームは65際以上が対象です。契約に関しても、サービス付き高齢者向け住宅は賃貸契約ですが、介護付き有料老人ホームは終身利用権方式です。介護付き有料老人ホームは介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受け、そのサービスを利用して生活します。そのため受けられるサービスも、身体介護や機能訓練など介護サービスが充実しているのが、介護付き有料老人ホームの特徴です。

また、サービス付き高齢者向け住宅は一般的に入居費用が低額で、生活の自由度が高いのが特徴ですが、介護付き有料老人ホームは1日のスケジュールがほとんど決まっていて、入居費用が高額な施設が多いです。

住宅型有料老人ホームとの違い

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は制度から解釈すると、よく似た施設と言えます。住宅型有料老人ホームは要支援・要介護の認定を受けた方だけでなく、ある程度自分の身の回りのことができる自立した方も入居可能です。レクリエーションやイベントなどが多く、楽しく充実した生活を送れるのがメリットと言えます。住宅型有料老人ホームで介護サービスが必要な場合は、訪問介護や通所介護などの外部サービスを利用します。利用者が必要なサービスを選んで利用するため、介護がたくさん必要な場合は費用がかかりますが、そうでない場合月額の費用は安くなります。利用者が楽しめる施設や設備の充実度は多様で、また提供する医療サービスもさまざま。料金も幅広いのが特徴です。住宅型有料老人ホームもサービス付き高齢者向け住宅も、運営側の方針により様々なパターンの施設となっているので、よく調べてから選ぶ必要があります。

サービス付き高齢者向け住宅に入居をお考えなら

サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認と専門家に相談できる生活相談サービスを受けることができるうえ、バリアフリー住宅で高齢者が安心して生活できる環境が整っています。一般的な賃貸住宅での生活ができるのも自由で快適でしょう。有料老人ホームなどと比べると初期費用も安くすむのもメリットです。

ただし、介護サービスが必要な場合は、外部業者との契約が必要になる場合もあります。介護の必要性や料金、どのような生活を希望するかを踏まえて検討してみるとよいでしょう。

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