静岡県の老人ホーム・介護施設情報サイト

まずはお気軽にお電話下さい!
ホーム >  介護お役立ち情報 >  介護用品 > 介護用電動ベッドの種類と特徴について

介護お役立ち情報

介護用電動ベッドの種類と特徴について

2024年8月30日
増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
カテゴリー:
介護お役立ち情報

介護用電動ベッドの選び方

介護用電動ベッドは自宅で介護をする際にとても便利なものです。介護用ベッドを選ぶ際は、モーター選びから始めましょう。モーターは1~3まであり、3つのランク別になっています。モーターの数が多いほど稼働する部分が多いため、要介護者にとっては楽に姿勢を変えることができます。介護度が高い方は最低でも2モーターベッド、できれば3モーターベッドを選ぶようにしましょう。介護用電動ベッドは一般的なベッドよりも簡単に場所を変えにくいものなので、その点を考慮し、設置を含めて考えるようにしたいものです。

介護用電動ベッドのメリットとは

介護用電動ベッドには、要介護者にも介助者にも大きなメリットがあります。実際使ってみないと分からないメリットもあり、早く使えばよかったという声も。それぞれの視点からどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

介護用電動ベッドによる要介護者のメリット

要介護者にとっても大きなメリットがいくつかあります。起き上がることがかなり楽になるので、トイレなどで起き上がるときにも身体がかなり楽になるでしょう。また、一般的なベッドより高さがある分、立ち上がりがしやすくなっています。介助バーを設置すると、手すり代わりにもなるので、さらに立ち上がりがしやすくなるでしょう。あらゆる行動が楽になるので、自分から行動しようという気持ちもわきますし、要介護者が前向きになるというメリットがあります。

介護用電動ベッドによる介助者のメリット

介護用電動ベッドには、要介護者だけではなく、介助者の身体的負担を軽減するための特殊な構造や機能が備えられています。そのため、介助者の体の負担を軽くすることができ、腰への負担が少なくなったという意見が多いです。介護用電動ベッドは、一般的なベッドに比べて床面からの高さがあるため、要介護者を起こしやすくなります。さらにベッドそのものに付いているモーターを使って上下に動かすことも可能なので、高さ調節機能を上手に使うことによって、介助者自身の体への負担は最低限にすることができます。

介護用電動ベッドの機能

介護用電動ベッドは一般的なベッドに比べると楽であることは分かりますが、どのような機能が付いているかが気になりますよね。介護用電動ベッドに付いている機能について確認していきましょう。

背上げ機能

モーターで背中を起こし、起き上がり動作を助けるという機能のことです。本を読んだり、テレビが見やすくなりますし、食事もしやすくなります。身体を起こすということで、横になっているときと比べると視野も広がるため、日常生活にも刺激があるでしょう。また、ベッドをゆっくり起こすことで、血圧に異常がある要介護者への負担も軽減できます。介助者にとっても、要介護者を起こすときに腕や腰に負担をかけずに済むため、介護疲れを軽減することが可能です。

脚上げ機能

背上げの状態を保つときに、膝を少し上げておくと身体のずり落ちが抑えられます。要介護者は運動することが難しいこともあり、身体がむくみやすいため、脚上げ機能を使って、むくんだ脚を楽にすることも可能です。長時間ベッドにいることの多い要介護者は、血流が悪くなりやすいものです。上手に脚上げ機能を使うことによって、血流が滞ることを防ぐこともできるでしょう。さらに、要介助者がリラックス効果を感じやすいという声もあります。

高さ調節

電動ベッドそのものの高さを上げたり下げたりすることができます。立ち上がり動作を楽にすることができ、要介護者が丁度足を付きやすい高さにすることで、立ち上がり時の事故を防ぎ、安心して立ち上がり動作ができるようになるでしょう。また、車椅子を利用している要介護者は、車椅子へ乗り移りやすくなるため、介助者の負担の軽減も可能です。就寝時には、ベッドの高さを下げる(低くする)ことにより、気持ちの面で安心して眠ることができるでしょう。

介護用電動ベッドの種類

介護電動ベッドには種類や特徴があり、モーターの数の違いによって分けられています。モーターの数の違いによって、電動ベッドの機能に違いがあるため、どの程度の電動ベッドが必要かを考えていきましょう。

1モーターベッド

1モーターベッドでできるのは、背上げもしくは、高さ調節です。1モーターということもあり、電動ベッドの中では一番付いている機能がシンプルで、要介護度そのものが低い高齢者向きと言えるでしょう。1モーターベッドは、要介護者が自分で起き上がったり、立ち上がったりすることができるものの、日常的な動作には不安が残るという方向きになります。

2モーターベッド

2モーターベッドでできるのは、背上げと、高さ調節です。2モーターベッドを選ぶ場合は、自分で起き上がったり、立ち上がりができない方や、できたとしてもひとりでは時間が掛かり、辛いという場合です。介助者の負担もかなり軽減できるベッドと言えるでしょう。

3モーターベッド

自力で起き上がったり、寝たり、座るというようなことができない場合や、ほぼ寝たきりの状態になってしまったときは、3モーターベッドが適しているでしょう。3モーターということもあり、背上げ、脚上げ、高さ調節という3つの機能が付いています。介助者の負担は3モーターベッドを使うことでかなり軽減することができ、精神的肉体的負担の軽減になるでしょう。

介護用電動ベッド選びのポイント

介護電動ベッドにも種類や特徴があることが分かりました。次に、自宅に介護電動ベッドを導入するという場合、どのようなことに気を付けてベッド選びをするとよいのかについて考えてみましょう。

身長や体格に合わせて選びましょう

要介護者といっても、身長や体格はそれぞれ違うものです。体格のいい要介護者であれば、大きめの電動介護ベッドを選ばざるを得ないでしょう。また、寝返りをうつことを考えると、身体のサイズぴったりではなく、少し余裕が欲しいですよね。基本的に、サイズは3パターンあり、一番大きなものは長さ205㎝、幅100㎝なので、結構大きい印象があります。一般的に、このサイズは身長170㎝以上の人向きとなっています。

お部屋の広さに合わせて選びましょう

大は小を兼ねるとも言われますが、介護用電動ベッドそのものが大きめということもあり、ベッドを置くスペースを確保することも必要です。部屋のどこに介護用電動ベッドを置くかを決め、そのほか部屋に配置するものを選ぶことになるでしょう。部屋が広ければ気にしなくていいことではありますが、日本の住宅事情的には要介護者の部屋を広く取れない場合も多いので、難しい問題です。

介護用電動ベッドについて

介護用電動ベッドは、要介護者がいる家庭ではあると便利なものです。介護で大事なことのひとつは、介助者の負担をできるだけ軽減することにありますが、それを可能にしてくれるのが介護用電動ベッドでしょう。自宅に導入するという場合、要介護者にとってどの機能が必要かを考え、さらにベッドのサイズ選びをするようにしてください。

著者プロフィール

増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
増田 高茂(社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者)
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。

監修者プロフィール

伊藤 麻梨子(介護職員初任者研修 修了)
伊藤 麻梨子(介護職員初任者研修 修了)
静岡市葵区生まれ。11年間自宅で祖母の介護をした後、総合病院の医事課に勤務。院内の患者情報の調整等の業務に従事。その後介護の資格を取得し、介護事業所に勤務。それぞれの家庭の介護の状況や在宅介護の難しさを改めて認識。理想とする老人ホームは施設の安心感と自宅の心地よさを兼ねた施設。趣味は花を育てること、自宅菜園、DIY

関連記事